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自己株式取引における「時価」の考え方(弁護士・会計士・税理士向け)

株式会社が自己の発行する株式を株主から買い取ることがあります。
上場会社の場合株価対策や株主への還元を目的とすることが多いですし、非上場会社の場合は筆頭株主支配の強化、相続人からの買取による株式分散の防止、組織再編などの目的が多いようです。
今回は、この株式を買い取る際の「時価」の考え方について説明します。
この記事は専門性が高いため、内容は会計士や税理士といった会計専門家、また弁護士などの法律専門家に向けて記載しました。

株式をそれぞれの発行会社が買い取る(自己株買取)際には、その取引価格をどのように決定するかが問題となります。特に、当該取引は同族関係者間での取引ですから経済合理性に基づかない価格が設定されると課税上の問題が発生する恐れがあります。
これに加え、完全支配関係下(100%支配グループ内)における取引の場合には、グループ法人税制の適用が想定されますので、この論点にも注意する必要があります。
以下、上記を踏まえて自己株式を取引する場合(非上場会社)の時価の考え方について説明します。

1)法人間における非上場株式取引
法人対法人で非上場株式を譲渡する(自己株式ではない)場合、一般的には相続税の申告において株式の時価評価に使用する「財産評価基本通達」の178から189-7にある方式を「課税上弊害が無い限り」一部修正して計算するのが原則です。この場合の時価を「法人税法上の時価」と呼びます。この場合、譲渡後の議決権割合を基として計算方法が決定されます。議決権を基礎とするのは、株式会社においては議決権割合こそが会社を支配する力を表すからです。

2)グループ法人税制適用外における自己株式取引
ところが、自己株式の取引に関して上記1)を厳密に適用すると、議決権の数は0として規定されている(財産評価基本通達188-3)自己株式を取得した場合、最も評価の低い「配当還元方式」で評価されるべきという考え方となってしまいます。
しかし、通常の取引において十分な価値を持つ株式の場合、自己株だからといって非常に評価の低い金額で取引しても問題がないと言い切ってしまうのも問題があるため、「譲渡前の議決権数」を基礎として1)を適用する考え方が(理論的には完全ではないものの)実務的には多く使われているようです。
なお、自己株式取引において低額譲渡(時価とされる金額より低い価格で取引)の問題が発生した場合、譲渡側の法人には寄附金課税が見込まれるものの、譲受法人にとっては資本取引の為、受贈益課税が発生しないと考えられています。

3)グループ法人税制適用下の取り扱い
さらに、グループ法人税制適用下においては、自己株式の譲渡損益が資本金等の額に加減算され、課税所得に算入されないことになりました(平成22年改正税法)。また、グループ法人税制適用下においては、自己株式取得に伴って発生するみなし配当(株式を買い取る場合、資本にあたる部分以外を配当支払とみなす)も全額が益金不算入となります。
また、グループ法人税制適用下の寄附については、税務上なかったものとみなされ、支出法人側で損金不算入、受取法人側で益金不算入とされます。但し、この取扱いが適用される寄附金と受贈益は、一方の法人において寄附金となり、他方の法人において受贈益となるものに限られます(法法25の2①括弧書き、37②括弧書き)。このため、一方の法人においてのみ寄附金の額が発生し、他方の法人においては受贈益の額が発生しないというようなもの(前述)で発生する譲渡法人の寄附金課税)に関しては、この取扱いは適用されず、一般的な寄附金課税となると考えます。

オンライン忘年会の費用を会社が払ったら?

新型コロナウイルス感染症は、ビジネスや観光、日常生活といったあらゆる分野に大きな影響を与えています。
中でも著しい影響を受けているのが、「人が集まる機会」です。
飲み会やパーティ、ライブ、スポーツなどのイベントにはたくさんの人が密な空間に集まりますので、どうしても感染可能性が高まってしまいます。
このため、多人数での飲食を禁止している会社も多いと思います。

1.オンライン飲み会
そんな中注目を浴びているのが「オンライン飲み会」です。
オンラインミーティングの機能を使って皆がバーチャルに顔を見ながら、それぞれが自宅などに用意した食事や飲料とともに会話を楽しむという、まさに新しい常識(ニューノーマル)を象徴するような機会です。

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2.イベント費用の会社負担
新型コロナウイルスが問題となるまでは、会社は従業員間の親睦をはかって一体感を高めるために、リアルな飲み会、食事会といったイベントを普通に開催してきました。特に年末になるとほとんどの会社が「忘年会」を開催し、皆で一年間の頑張りを慰労する機会を設けていました。
この忘年会、会費制の場合もありますが多くの会社は一部又は全部を会社が「福利厚生費」として負担しています。これは、前述の通りこのようなイベントが会社の円滑な運営の為必要ということがその理由です。
そのため、税法も

  • 専ら従業員の慰安のために行われるイベントのため通常要する費用
  • それらが社会通念上一般的に行われていると認められるイベントであること

であれば、「課税(※)しない」スタンスを採っています。
但し、そのイベントに参加しなかった役員又は使用人(業務のため参加できなかった者を除く)に対しその参加に代えて金銭を支給する場合や、役員だけを対象としてイベントの費用を負担する場合には課税されることとなっています。

※今回のブログに言う「課税」には、法人税や所得税における課税が含まれますが、その内容については説明を簡単にするため省略します。

 3.オンライン飲み会の費用補助
では、オンライン飲み会でそれぞれの参加者が必要とする食事や飲料に充てる費用を会社が負担した場合にはどうなるでしょうか。
まず、元からある「イベント費用を会社が負担した場合」に課税されないための条件は満たしている必要があると思います。
すなわち、①専ら従業員の慰安のために行われるイベント、であり、②そのために通常要する費用(高すぎないこと)、そして③そのイベントが社会通念上普通のものであること、という条件になります。

オンライン飲み会は、コロナ禍前には一般的ではなかったかもしれませんが、現在の「新しい社会通念」においてはもう既に普通になっていると思います。
また、飲み会で通常会社が負担している一人当たりの費用より少ない金額であれば、「そのために通常要する費用」として考えても間違っていないと思います。
問題になるのは、それぞれの社員に金銭(金券や電子マネー等金銭同等物を含む)を支給することそれ自体です。
課税されない条件として最も確実なのは、上の条件に加え「実際に参加して係った費用のレシート等を収集し、これについて会社から補助を行うこと」です。このことで、法人税、所得税は課税されません。またついでながら消費税も控除の対象になると思います。

ただ、たくさんの社員からいちいち細かいレシートを取得し、精算するというのも面倒なので、社員全員へ一律に一定額を支給するというケースもあり得るでしょう。このような場合、参加しなかった者への参加に代えて支給する金銭や、実際に要した金額を大きく超える場合については、その支給する金銭は課税されることになると思います。

この論点はまだ非常に新しく事例も少ないので、法令や現在の取り扱いに照らしながら考えてみました。参加した者に対する実費を精算することが一番安全ですのでまずはその方法をお勧めしますが、その他の方法の場合は、顧問税理士などに十分ご相談の上実施されるのが良いと思います。

合併手続の留意点~合併無効とならないために

近年組織再編に関する法整備が進み、合併、分割、株式交換・移転といった組織再編手法が大変使いやすくなりました。
その中でも、昔からよく使われている「合併」については、基本的なM&A手法として大変便利な手法であると言えます。
しかしながら、合併については会社法に規定された手続を正しく進めなければ、それ自体が無効となってしまうリスクがあります。もし無効となった場合、単に手続自体が無駄になるだけではなく、合併を前提に進められている様々な契約や事業活動が全て合併前の状態に戻されるため、甚大な悪影響があります。

今回は、このようなことがないよう、満たされるべき最低限の手続について記載してみました。
※税理士の分野である税法やその他の分野に関してはまた別の機会があれば記載します。

①合併のスケジュール
合併手続はおおよそ下記の通りの手順で行われます。

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これらの合併手続は会社法に規定されており、これらの手続に従わなければ合併を行うことはできません。この手続や登記申請書の添付書類に瑕疵がある場合、合併自体が中断する場合や、のちに合併無効の訴えにより遡って無効となる場合があります。

合併手続が中断、中止する場合はもちろん問題ですが、遡って無効となる場合には、合併を前提に進められている様々な契約や事業活動が全て合併前の状態に戻されるため、甚大な悪影響があります。このため、合併手続が登記まで適切に行われているかどうかについて、下記の手続を中心に十分注意する必要があります。

②合併契約の締結
合併契約には、消滅会社の株主に交付する対価や効力発生日など、法律で定められた事項を漏れなく決定しなければなりません。合併契約には法定の必須事項があり、この必要事項を欠くと合併の無効原因になります。また合併契約書は合併登記申請における添付書類となります。

③合併に関する書類の事前備置
存続会社および消滅会社は、株主や債権者が合併の適否や合併無効の訴え提起を判断できるよう、合併契約や当事会社の計算書類など一定の書類を本店に備え置かなければなりません。備え置く期間は合併の効力発生日後6ヵ月を経過するまでです。

④債権者保護手続
存続会社および消滅会社は、債権者に対して合併に異議があれば一定期間内に申し出る旨を官報(一定の場合は日刊新聞紙、電子公告)で公告しなければなりません。異議申出の期間は1ヵ月以上必要です。

⑤株主の株式買取請求
存続会社および消滅会社は、合併の効力発生日の20日前までに株主に対して合併する旨の通知(一定の場合は公告)をしなければなりません。

⑥株主総会による合併契約の承認
合併契約は、合併の効力発生日の前日までに存続会社および消滅会社の株主総会で特別決議による承認を受ける必要があります(但し簡易合併、略式合併の場合は、原則として株主総会による決議を省略できます)。

⑦登記・財産等の名義変更手続
存続会社の代表者は、合併の効力発生日から2週間以内に、存続会社の変更登記と消滅会社の解散登記をする必要があります。また、消滅会社の権利義務はすべて存続会社に移転するため、預金、土地および建物など、消滅会社の名義になっている財産等については存続会社への名義変更が必要です。

⑧合併に関する書類の事後備置
存続会社は消滅会社より承継した権利義務や合併手続の経過等を記載した書類を作成し、効力発生日から6ヵ月間本店に備え置かなければなりません。

⑨手続瑕疵の影響
上記の手続に瑕疵(かし 欠陥のこと)があった場合には手続の無効原因となり得ますが、その瑕疵が重大でない場合でも必ず合併が無効となるわけではありません。瑕疵が発見された場合には、合併手続に詳しい弁護士、司法書士などの専門家から無効性について意見を聴取した上で対処を判断する必要があります。

 

役員のお給料、そのやり方で大丈夫?結構危ない3つの注意点

役員のお給料は、従業員のそれと違って、法人税法上非常に重要な制限があります。
一つ間違えば、せっかく払った給料が会社の経費にならず多額の税金がかかる!なんてことが簡単に起こります。この制限を知って、無駄な法人税の発生を押えましょう!

※このコラムは一般向けのため、例外や詳細な条件などを省略してある部分がありますのでご注意ください。詳細についてのご質問は、事務所までお問い合わせ下さい。

1.役員の給料と従業員の給料の違い
会社のために仕事をしたら、お給料は当然もらえるものです。
ですが、一般の従業員さんと役員さんでその意味が違う、という点は御存じですか?
一般の従業員さんのお給料やボーナスは、原則として会社の費用(法人税法上は「損金」と言います)になるので法人税を減らせるのですが、役員さんはそうはいかないのです。
役員さんのお給料については大きく3つの注意点があるので、是非ご注意ください。

2.(注意点その1)役員のお給料は「原則経費ではない」
意外なことに、法人税法には「役員のお給料は『原則として』損金(税金の引ける経費)にならない」という驚きの定めがあります。
でも、おかしいですよね。
会社のために働いて、その分がお給料として支払われているので、会社の経費にならないのはどう考えても変です。
実は、会社の経費にするためには、次の3、4についての条件を満たす必要があるのです。

3.(注意点その2)役員のお給料は「定時」「同額」でなければ経費にならない
「原則経費にならない」とされる役員のお給料は、「定時(毎月決まった日など)」に、「同額(金額が変化しない)」支払の場合に限って経費になります。
例えば、毎月25日に100万円のお給料を支払っている方の場合、ある月だけ120万円にしてしまったら、増えた20万円部分が経費にならないのです。
このお給料を全額損金のまま変更できるのは、なんと決算日後3カ月までの間だけ。

役員給与1
増額変更がOKのケース(3月決算の場合)

これ以外の場合は、上で書いたように変化した部分が経費にならないという問題が起こってしまいます。例えば、下記のようなケースの場合、8月以後増やした部分(点線より上)が全部損金にならないのです。

役員給与2
増額
変更がNOのケース(3月決算の場合)

4.(注意点その3)役員のボーナスは、「あらかじめ届け出た金額」から1円でも違えば経費にならない

定時・同額という事ですから、ボーナスはもってのほかです。
出した金額が全て経費にならない、という大変痛い状態となってしまうのです。
但し、決算期末から4カ月以内に「いつ、幾らのボーナスを出す」ことを書いた「事前確定届出」を税務署に出し、その届出通りの支払日、支払金額のボーナスを出した場合に「限り」そのボーナス金額が経費になります。
如何でしたか?
以上の通り、役員さんのお給料については、一般の従業員と非常に大きな違いと注意点があります。
この他にもたくさんの論点がありますので、十分にご注意ください。

 

ダブルで得する「税額控除」

会社の場合でも個人事業の場合でも、特に順調に売り上げや利益を上げている場合には税金(法人税や所得税)の負担が無視できません。
この記事は、その税金を減らすうえで非常に大きなメリットのある「税額控除」という制度を取り上げてご説明します。
中小企業を中心とした企業経営者や個人事業主の皆様は、是非参考になさってください。

1.事業に関する税金の計算方法
我が国の税制は個人事業と法人の制度を完全に分けているのですが、基本的なところは同じです。簡単に言うと、売上などの収入から費用を差し引いた「利益」に対して税金がかかるということになります。
つまり、売上が大きくなったり、費用が下がったりして利益が増えると、その分税金が増えますし、逆もまたしかりということになります。
実際には税金の計算はもう少し複雑で、法人なら「税金を減らさない費用(損金不算入の費用と言います)」があったり、個人の場合は「費用や支出ではないが税金を減らす項目(所得控除といいます)」があったりと、なかなか大変です。

2.税額控除とは
これに加えて、法人税や個人所得税には「税額控除」という制度が用意されています。
この制度は、政策的な目的、例えば設備投資や雇用の拡大、試験研究の実施といった企業活動がなされると、税金を一部免除するというインセンティブを与えるために税金を控除するという形を採っています。

税額控除の仕組
税額控除の仕組み

上記の図をご覧ください。
先に説明した通り、税金はもともと利益に対してかかるものなのですが、その税金から「さらにマイナスができる」という所が税額控除のメリットになります。

3.特別償却との違い
よく似た目的を持った「特別償却」という制度もあります。
この制度も、同じように政策的な目的から設けられているのですが、効果については大きな違いがあります。

設備投資された資産は一度に費用となるのではなく、何年かに渡って分割して費用とされるのですが、その分割年数は法律に基づくルールで定められています。
この特別償却は、そのルールより早く費用とすることで、利益を圧縮し、税金を少なくしようとするものです。
なお政策的な目的が同じですから、特別償却の対象となる資産と、税額控除の対処となるものはほぼ同じとなっています。

税額控除と特別償却の目的は一緒なのですが、効果(税金を減らす)については大きな違いがあります。
特別償却は「費用化を早くする」だけで、トータルの費用額は「買った値段」で変わりません。
しかし税額控除の場合、特別償却よりは遅いものの、費用化額は全体として同じである上に、購入金額に応じた税額控除も受けられることになるのです(ある意味「二重に引ける」ことになります)。
ですから、よほどの理由がない限り、税額控除と特別償却が選択できるなら前者を選ぶべき、ということになります。

4.税額控除の例
税額控除の制度は多く用意されていますが、主なものは下記の通りです。
なお、これらの制度は「個人事業主でも会社でも適用可」となっています。

  • 試験研究費…試験研究費を支払ったり、増加した場合
  • 生産性向上設備投資促進税制…生産性向上設備等を取得した場合
  • 中小企業等投資促進税制…機械等を買った場合
  • 雇用促進税制…人数が増加した場合
  • 所得拡大税制…雇用者給与支給額が増加した場合

5.税額控除の注意点
税額控除を利用する際には、主に下記の点に注意する必要があります。

  • 最初の申告の際、原則「税額控除を利用する」ことを記載した明細を提出しないと、後から適用できることが明らかになっても認めてもらえない(訂正できない)
  • 法人税や所得税の一定割合が限度(極端な話赤字だと適用できない)

如何でしょうか?
これらの制度は、実際には非常に複雑ですので申告書を作る際には税理士などの専門家に必ずご依頼ください。
とはいえ、制度が使えるかどうかについて、経営者が知っておくことは経営判断を行う上で大変重要と思います。
是非ご参考になさってください。

大法人の電子申告義務化について

経済社会のICT化等が進展する中、税務手続においても、ICTの活用を推進し、データの円滑な利用を進めることにより、社会全体のコスト削減及び企業の生産性向上を図ることが重要であることから、平成30年度税制改正により、「電子情報処理組織による申告の特例」が創設され、一定の法人が行う法人税等の申告は、電子情報処理組織(以下「e-Tax」といいます。)により提出しなければならないこととされました。(e-Taxページより)
以下、この義務化とその対応についてご説明します。

1.電子申告の義務化の概要

  • 法人税及び地方法人税並びに消費税及び地方消費税
  • 資本金の額又は出資金の額が1億円超の内国法人、相互会社等…法人税・地方法人税、消費税・地方消費税


電子申告義務化対象法人
e-Tax義務化法人一覧(e-Taxホームページより)

  • 国及び地方公共団体…消費税・地方消費税
  • 確定申告書、中間(予定)申告書、仮決算の中間申告書、修正申告書及び還付申告書が対象で、これらに添付すべきものとされている書類の全てを含む
  • (例外)電気通信回線の故障、災害その他の理由によりe-Taxを使用することが困難であると認められる場合、納税地の所轄税務署長の事前の承認を要件として、法人税等の申告書及び添付書類を書面によって提出可
  • 電子申告義務化対象法人は、納税地の所轄税務署長に対し、適用開始事業年度等を記載した届出書(「 e-Taxによる申告の特例に係る届出書」を下記の期限までに提出する必要
  1. 令和2年3月31日以前に設立された法人で令和2年4月1日以後最初に開始する事業年度(課税期間)において義務化対象法人となる場合…当該事業年度(課税期間)開始の日から1か月以内
  2. 令和2年4月1日以後に増資、設立等により義務化対象法人となる場合
    イ 増資により義務化対象法人となる場合…資本金の額等が1億円超となった日から1か月以内
    ロ 新たに設立された法人で設立後の最初の事業年度から義務化対象法人となる場合…設立の日から2か月以内
  3. 令和2年4月1日以後に義務化対象法人であって消費税の免税事業者から課税事業者となる場合…課税事業者となる課税期間開始の日から1か月以内
  • 令和2年4月1日以後に開始する事業年度(課税期間)から適用(地方税の法人住民税及び法人事業税についても電子申告が義務化)
  • 電子申告の義務化法人は、書面による申告書の提出は認められません。このため、電子申告の義務化の対象となる法人が、e-Taxにより法定申告期限までに申告書を提出せず、書面(添付書面含む)により提出した場合、その申告書は無効なものとして取り扱われることとなり、無申告加算税の対象となります。

2.CSV形式で提出可能となるもの
(国税庁HPにCSV形式を簡易に作成できる標準フォーム掲載)
①別表の明細書のうち内訳の記載を要する別表6など
②財務諸表(勘定科目に国税庁から公表される勘定科目コード(令和元年に公表予定)を付ける必要
③勘定科目内訳明細書

3.PDFで提出可能となる添付書類
①一部のリリース前別表
②出資関係図
③経営力向上計画に係る認定書の写し
④申告に添付が必要な証明書など

4.2.3.について、添付すべき書類が大量にありe-Taxによる提出が出来ない場合は、光ディスクによる提出も可能

5.別表16(減価償却に関する明細書の添付)
別表には固定資産科目別の合計を記載して提出、明細は省略可
(法人税法施行令第63条第2項 その区分ごとの合計額を記載した書類を当該事業年度の確定申告書に添付したときは、同項の明細書を保存している場合に限り、同項の明細書の添付を要しないものとする)

6.相続税の電子申告について
相続税法に基づく申告には「贈与税」と「相続税」がありますが、これまでは「贈与税」のみが電子申告の対象となっていました。
これが今回改められ、本年(2019年)10月から「相続税」でも電子申告が可能となることが決まっています。
遺産分割協議書など、電子化が難しい書面の提出をどのように行うか不明な点もありますが、最後に残されたこの税目が電子申告の対象と納税者の利便性は大きく向上することになります。

7.対応について
これまで電子申告を利用していなかった法人や、一部を紙提出していた法人の場合、上記(義務化)の対応は少し面倒なものになるかもしれません。しかし、電子申告を上手に導入すると、結果として手続が非常にシンプルで効率的になり、誤りや税務調査リスクを低減することにもつながります。
またこのメリットは、今回義務化の対象となる大規模会社だけではなく、中小企業でも同様に受けることが可能です。

弊所はe-Tax登場とほぼ同時に、対応するほぼ全ての税目において電子申告での提出を実現しています。
また、上場会社を含む大規模法人や金融機関に関しても、電子申告を含む法人・消費税申告手続に関与しており、実務に精通しています。
特に電子申告の義務化に対応するためにはもちろん電子申告に対応したシステムが必要になりますが、システムの導入だけに終わるとせっかくの効率性が失われたり、システム投資の肥大化を招いてしまう可能性もありますので、実際に資料の準備から計算、申告書の提出までの実務を十分に理解している専門家の関与が必須となります。

電子申告を新たに導入する場合、また現在導入しているがより効率化を図りたい、税務調査リスクを低減する申告を行いたいなどのご希望がありましたら是非お問合せ下さい。

大法人における電子申告の義務化

経済社会のICT化等が進展する中、税務手続においても、ICTの活用を推進し、データの円滑な利用を進めることにより、社会全体のコスト削減及び企業の生産性向上を図ることが重要であることから、平成30年度税制改正により、「電子情報処理組織による申告の特例」が創設され、一定の法人が行う法人税等の申告は、電子情報処理組織(以下「e-Tax」といいます。)により提出しなければならないこととされました。(e-Tax紹介ページより)
以下、この義務化とその対応についてご説明します。

1.電子申告の義務化の概要

  • 法人税及び地方法人税並びに消費税及び地方消費税
  • 資本金の額又は出資金の額が1億円超の内国法人、相互会社等…法人税・地方法人税、消費税・地方消費税

電子申告義務化体調法人一覧
e-Tax義務化法人一覧(e-Taxホームページより)

  • 国及び地方公共団体…消費税・地方消費税
  • 確定申告書、中間(予定)申告書、仮決算の中間申告書、修正申告書及び還付申告書が対象で、これらに添付すべきものとされている書類の全てを含む
  • (例外)電気通信回線の故障、災害その他の理由によりe-Taxを使用することが困難であると認められる場合、納税地の所轄税務署長の事前の承認を要件として、法人税等の申告書及び添付書類を書面によって提出可
  • 電子申告義務化対象法人は、納税地の所轄税務署長に対し、適用開始事業年度等を記載した届出書(「 e-Taxによる申告の特例に係る届出書を提出必要

(1)令和2年3月31日以前に設立された法人で令和2年4月1日以後最初に開始する事業年度(課税期間)において義務化対象法人となる場合…当該事業年度(課税期間)開始の日から1か月以内

(2)令和2年4月1日以後に増資、設立等により義務化対象法人となる場合
イ 増資により義務化対象法人となる場合…資本金の額等が1億円超となった日から1か月以内
ロ 新たに設立された法人で設立後の最初の事業年度から義務化対象法人となる場合…設立の日から2か月以内
(3)令和2年4月1日以後に義務化対象法人であって消費税の免税事業者から課税事業者となる場合…課税事業者となる課税期間開始の日から1か月以内

  • 令和2年4月1日以後に開始する事業年度(課税期間)から適用(地方税の法人住民税及び法人事業税についても電子申告が義務化)
  • 電子申告の義務化法人は、書面による申告書の提出は認められません。このため、電子申告の義務化の対象となる法人が、e-Taxにより法定申告期限までに申告書を提出せず、書面(添付書面含む)により提出した場合、その申告書は無効なものとして取り扱われることとなり、無申告加算税の対象となります。

2.CSV形式で提出可能となるもの
(国税庁HPにCSV形式を簡易に作成できる標準フォーム掲載)
①別表の明細書のうち内訳の記載を要する別表6など
②財務諸表(勘定科目に国税庁から公表される勘定科目コード(令和元年に公表予定)を付ける必要
③勘定科目内訳明細書

3.PDFで提出可能となる添付書類
①一部のリリース前別表
②出資関係図
③経営力向上計画に係る認定書の写し
④申告に添付が必要な証明書など

4.2.3.について、添付すべき書類が大量にありe-Taxによる提出が出来ない場合は、光ディスクによる提出も可能

5.別表16(減価償却に関する明細書の添付)
別表には固定資産科目別の合計を記載して提出、明細は省略可
(法人税法施行令第63条第2項 その区分ごとの合計額を記載した書類を当該事業年度の確定申告書に添付したときは、同項の明細書を保存している場合に限り、同項の明細書の添付を要しないものとする)

6.相続税の電子申告について
相続税法に基づく申告には「贈与税」と「相続税」がありますが、これまでは「贈与税」のみが電子申告の対象となっていました。
これが今回改められ、本年(2019年)10月から「相続税」でも電子申告が可能となることが決まっています。
遺産分割協議書など、電子化が難しい書面の提出をどのように行うか不明な点もありますが、最後に残されたこの税目が電子申告の対象と納税者の利便性は大きく向上することになります。

7.対応について
これまで電子申告を利用していなかった法人や、一部を紙提出していた法人の場合、上記(義務化)の対応は少し面倒なものになるかもしれません。しかし、電子申告を上手に導入すると、結果として手続が非常にシンプルで効率的になり、誤りや税務調査リスクを低減することにもつながります。
またこのメリットは、今回義務化の対象となる大規模会社だけではなく、中小企業でも同様に受けることが可能です。

弊所はe-Tax登場とほぼ同時に、対応するほぼ全ての税目において電子申告での提出を実現しています。
また、上場会社を含む大規模法人や金融機関に関しても、電子申告を含む法人・消費税申告手続に関与しており、実務に精通しています。
特に電子申告の義務化に対応するためにはもちろん電子申告に対応したシステムが必要になりますが、システムの導入だけに終わるとせっかくの効率性が失われたり、システム投資の肥大化を招いてしまう可能性もありますので、実際に資料の準備から計算、申告書の提出までの実務を十分に理解している専門家の関与が必須となります。

電子申告を新たに導入する場合、また現在導入しているがより効率化を図りたい、税務調査リスクを低減する申告を行いたいなどのご希望がありましたら是非お問合せ下さい。

税務調査を不正対策に利用する

1.はじめに

新聞報道などで良く知られるように、税務調査で不正が発覚するケースは非常に多くあります。今回は、それはなぜかを制度から解き明かすと同時に、「積極的な利用の方法」について説明いたします。

CFE(公認不正検査士)が行う不正への対応は、時間的、費用的、また人的問題や法に基づく制約が多く、どのようなシチュエーションでも難しいものです。この原因の一つは、警察などと違って「強制力がないこと」にあります。

これに対し税務調査は公権力によって行われますから、この点において監査や不正調査とは全く異なる強力な手法であると言えます。とはいえ、税務調査が目的とするところは監査や不正調査のそれとは全く異なります。従って、「利用」と言っても、単純な話ではなく、それぞれの本質的違いを理解しなければなりません。

しかし逆に、そのような違いを理解し、実務を少し経験すれば、通常の不正対応において望むことのできない強力な力を得ることが出来るのです。

経理部門や会計士、税理士、弁護士など会計、税務、法律に携わる業種に限らず、取締役や監査役、内部監査部門など、内部統制の重要な部分を構成する方々全てにとって有用なお話になれば幸いです。

2.税務調査とは

1)税務調査がなぜ行われるか

法人税、所得税、相続税など主要な税法は「申告による課税制度(申告納税制度)」を採っています。このような申告納税制度の下においては、納税者が自ら申告書を作成し、この申告書に基づいて納税することになります。この場合、納税者全員が正しい知識と納税意識に基づいて申告・納税をするなら良いのですが、間違いや不正などの可能性は否定できません。このため、何らかの方法で「申告された内容が正しいかどうか」を確認する制度が必要となります。この目的を達するために存在するのが税務調査という制度です。

この税務調査を行う際、一般的には、原則として納税者の同意を得て行う、いわゆる任意調査が実施されます。しかし不正等により故意に脱税をする者には、税額を正すだけではなく刑事責任を追及するため、犯罪捜査に準ずる方法で調査する場合があります。これが査察調査(いわゆる「マルサ」)です。査察調査の結果いかんによっては、検察官に告発し、公訴に至ることがあります。

2)税務調査でなぜ不正が見つかるか

①税務調査と監査、不正検査との比較

税務調査で不正が見つかる理由を考える前に、税務調査と監査や不正検査とを比較し、共通点や相違点を探ってみます。

次の比較表は、「公認不正検査士マニュアル」に記載されている「監査と不正検査の比較」をベースに、税務調査に関する部分を加筆したものです。

 

表 監査、不正検査、税務調査の比較

 

監  査

不正検査

税務調査

実施時期

周期的
(
四半期、決算期など)

非周期的
(
不正発生時)

非周期的
(
但し一定の法則あり)

範囲

業務全般
(
会計中心)

特定の不正疑惑
(
あらゆる領域)

税に関する領域

目的

意見表明

責任の所在特定

適正な申告・納税

問題点の扱い

依頼主への報告、開示

依頼主への報告、司法

税法に基づく処分

網羅性

リスクアプローチ
に基づく範囲

対象不正疑惑の
全て

実務上問題と
されない

相手との関係

非対立的
(
強制性なし)

対立的
(
強制性なし)

対立的
(
正当理由なく拒めず)

方法論

監査技術

不正検査技術

税務調査技術
(
職人的部分あり)

仮説の根拠

職業的猜疑心

具体的証拠

具体的証拠と経験

コスト要求

高い

依頼内容による

低い

 

②具体的な税務調査手法
それでは、実際の税務調査がどのように行われるかについて、法人税の任意調査を例に簡単に説明します。

法人税の税務調査は、主に以下のような論点をターゲットに行われます。

  • 売上除外など収益の計上漏れ、計上時期のずれ
  • 経費水増しや架空計上、計上時期のずれ
  • 棚卸資産など、貸借対照表項目の過少計上(簿外資産の有無)
  • 税制上の特例など、適用要件あるものの実態調査

そして、その際取られる手法は、おおよそ以下のようなものです。

  • 分析的手法より、実証手続に徹底してこだわる(白色申告の推計課税を除く)
    →「現地、現実、現物」の確認
  • 仮説検証アプローチ
    但し、その仮説は後述する資料や経験に基づくものが多く、職人的。性悪説に基づく。
    この点、「リスクアプローチ」の概念はまだ完全に取り入れられていない感がある。
  • 非財務分析・内偵
  • 非財務数値との比較分析や内偵(現金商売に対する場合が多い)など。
  • 反面調査 非常に強力な手法であるが、あくまで任意の調査手法の一つ
  • 尋問手法 世間話から徐々に会社概況や業務の内容に移行し、資料や他の証言との矛盾を探る手法。

③資料収集

不正調査は「初動」が重要ですが、理想的には「不正調査が必要となった時点で確定的な情報、証拠が手元にある」場合には効果的な調査が可能となります。ただ、そんな都合の良い状況を一般の不正調査業務で実現することはほぼ不可能です(この意味で、GoogleやFacebookのような会社が不正調査ビジネスに進出すれば、事の是非はともかく非常に面白いかもしれません)。

ところが、税務署にはその「都合の良い理想」があるのです。これを資料収集制度と言います。税務署は普段から様々な情報を集め、既に膨大なデータベースを手元に確保しているのです。この収集方法で代表的なものが、「取引資料せん」、「調査時の資料収集」です。

まず「取引資料せん」とは、特定期間の特定取引(売上、仕入、外注費、諸経費など)について、取引先の住所、氏名、取引年月日、取引金額、支払先の銀行口座、取引内容などを記入した情報を収集するものです。これは税務署が納税者に「任意」での協力を依頼し、提出を受けることになっています(法定外資料に分類されます)。

後者「調査時の資料収集」は、税務調査で訪問した先で収集した取引記録です。税務調査の過程を注意深く見ていると、自らの税務調査とあまり関係がなさそうな取引まで便箋にメモして帰ることがあると思います。メモしている内容は上の「資料せん」と基本的に同じです。

これらの情報は全て国税局のコンピュータ(国税総合管理システム KSK)上にデータベース化され、各税務署で利用可能な状態となっています。例えば、沖縄で収集された資料に北海道の事業者との取引があれば、北海道の調査官がその資料を調査時に利用できる訳です。架空経費など、不整合を生む初歩的で単純な不正は、この収集した情報で比較的簡単に発見できます。

3.不正調査・防止への活用

1)税理士とのコミュニケーション

このように、税務調査は不正調査と非常に似ており、また一般的な不正調査においては権限上得難い情報も利用できます。となれば、冒頭で述べた通り、税務調査において不正が発覚しやすいことも理解できます。

しかし、税務調査で発覚している不正は、金額的な重要性の少ないものを含めると実は氷山の一角なのです。調査官は不正の調査を主眼としている訳ではありませんから、増差(税額が増える論点)以外は原則として立ち入らず、その場の注意で済ませてしまう事も多くあります。税務調査件数にもノルマがありますから、自分の仕事に効果が少ない論点に正義感をもって立ち入るより、次に進んだ方が楽な訳です(実際、いわゆる「良い税理士」はこの落としどころを探り、税務調査におけるクライアントの負担を軽くするよう努力します)。

しかしこれを不正調査の観点から見ると、非常に大きな問題があります。不正は「税額を増やす」という論点において重要性が無くても、粉飾やコンプライアンス、レピュテーション上の大きな問題となる場合があります。また「網羅性」にさほど重点を置いていない税務調査でたまたま発覚したということは、ハインリッヒの法則(「1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する」という経験則)から見ても重大な問題が隠れている可能性があるのです。

また、会社側で税務調査を担当するのは経理担当者や社長など経営者自身であることが多く、これらの問題が自らに関係する場合には、当然隠蔽の意思が働きやすくなります。

このような問題に対しては、税務調査に関しては内部監査担当者や監査役が進捗や発見事項を把握してくことが重要です。税務調査担当職員や顧問税理士とコミュニケーションを取ることはもちろん、税務調査日程や調査官との面談、調査への立会、報告会への同席など、表に出ない問題点を闇に葬らせない牽制が効果的であると考えます。

2)税理士法33条の2書面、意見聴取制度の高度な利用

税理士法第33条の2に規定された「書面添付」制度は、申告書を作成するに当たって計算した事項等を記載した書面(添付書面)を税理士が作成した場合、当該書面を申告書に添付して提出した者に対する調査において、税務調査の通知前に、添付された書面の記載事項について税理士が意見を述べる機会を与えなければならないという制度です。

実務を踏まえて簡単に言いかえますと、「調査に入る前に、税理士が申告書の内容(主に適切に作られているかどうか)について意見を述べ、事前に調査の要点について議論、結論まで出すことが出来る」というものです。また場合によっては調査そのものが省略される場合もあります。

この制度が素晴らしい所は、「この意見聴取段階で結論の出た項目については、もしその後調査を開始したとしても一切触れられることがない」という点です。

このような点を税理士と連携して上手に活用できれば、「当局との意見の相違が問題となりやすい税務スキームなどは調査の対象から外し、経営者自身も気づいていない誤りや不正を税務調査の過程で発見する、あるいは発生しないよう牽制する」といった非常に高度な利用をすることも可能です。

私も実際このようなケースをいくつか経験していますが、先に述べたような強制力や資料収集力を持った税務調査が不正対応に与える影響は絶大なものがあります。

税理士法33条の2書面については、こちらのコラム(「税務調査を受けない方法」)を参照

4.税務調査による不正発覚事例と分析

1)架空循環取引

日本公認会計士協会 会長通牒平成 23 年第3号「循環取引等不適切な会計処理への監査上の対応等について」は、循環取引について「経営者、あるいは特定の事業部門責任者等により意図的に仕組まれる為、正常な取引条件が整っているように見える場合が多い」と述べ、下記のような特徴を持っていると説明しています。

  • 取引先は、実在することが多い。
  • 資金決済は、実際に行われることが多い。
  • 会計記録や証憑の偽造又は在庫等の保有資産の偽装は、徹底して行われることが多い。

この会長通牒でも述べられているように、架空循環取引は非常に巧妙に正常取引を偽装しており、一般的なリスクアプローチに基づく監査によって発見することには限界があります。また、平成25年に発表された「不正リスク対応基準」でも、架空循環取引への対応は「取引先企業の監査人との連携」が必要であるとして継続審議となっています。

しかし、税務調査は前述の「反面調査」や「資料せん」、そして取引内容や債権債務、棚卸資産などに関する質問により、架空循環取引から生じるわずかな不整合を見出す可能性を持っています。

循環取引は一種の粉飾ですから税務調査において主眼とすべき論点ではありませんし、監査と同様発見それ自体は難しいものです。しかし調査の過程においてその兆候が出ることも多く、調査官と会社担当者間のやりとりを十分に把握しておくことが重要です(調査による発見・摘発は難しくても、不正リスク評価上重要な情報の得られる場合があります)。

事例:広島ガスグループ架空循環取引(税務調査での発見事例)[PDF

2)資産の流用、横領

  • 旅行会社の架空請求書、領収書(出張日報とは合致)
  • 領収書がコクヨ(会社名、住所、電話番号記載あり)であった点について注目
  • 会社名を検索しても出ず、電話番号は生きているが電話は着信しない

結局このケースにおいては、出張のハシゴや安宿の利用によって節約した旅費と、架空旅費の差額を横領していました。

一般的に、税務調査において「コクヨ領収書」や「手書領収書」など、調査官が経験上疑問を持つ証憑類はよくピックアップされます。

ところが、税務調査の実務上は、他に大きな論点があった場合にはこのような論点が「口頭での注意勧告」にとどまることが多く、闇に葬られる場合も多くあります。この点からも、できれば調査の過程を把握しておく必要があります。

3)テレビ朝日社員が1億4千万円流用

テレビ朝日は2013年11月20日、外部の制作会社に架空の業務費などを請求させ、番組制作費合計約1億4100万円を着服したとして、プロデューサーを11月19日付で懲戒解雇したと発表した。同局によると、2003年11月~2013年3月までの10年間に亘り、伊東は制作会社3社に架空計上や水増しした業務代金を請求させ、同局から支払われた番組制作費を私的な国内外への旅行費用や服飾品購入に使用して、制作会社1社には見返りとして現金数10万円を渡していたという。 2013年8月に東京国税局の定例税務調査で発覚し、同局が内部調査を進めていた。本人は私的流用を認め、返済も始めているという。(以上WikiPediaより)

事例:テレビ朝日社員の不正行為(税務調査での発見事例)[PDF

以上

Refund of the consumption tax and the registration for foreign companies

1)Refund of the consumption tax for foreign companies

For registered taxpayers, consumption tax to be paid (except in “simplified deduction” status) is calculated deducting the amount of paid consumption tax from a consumption tax for taxation sales. This deduction is calculated by multiplying “taxation sales ratio” by paid consumption tax(*). Therefore, zero taxation sales makes no tax return because both taxation ratio and deduction are zero.

However, export sales which is treated as a consumption tax exemption is included in taxation sales when taxation sales ratio is calculated. If there is not any other tax-free income (land loan, transfer of securities, bank dividend and so on) in Japan, all of paid consumption tax will be returned theoretically.

The payment consumption tax paid by becoming a taxation enterprise will be returned entirely theoretically if other tax-free incomes (land loan, securities transfer, a dividend) do not occur in Japan.

——————-
(*)If “taxation sales ratio” is more than 95% and taxation sales of the period is not exceeding 500mil Yen, all amount of the paid consumption tax can be deducted.

 

2)Consumption tax registration

“Taxpayer registration” should be filed to the local branch of national tax agency. But when tax return is filed once, they will register as a taxpayer without any registration (practical treatment).

Nonetheless if you want to control the status of consumption tax (Actual amount deduction, simplified deduction, and exemption), taxpayer registration should be filed. For example, “taxpayer registration” should be filed to refund consumption tax paid if taxable sales was less than or equal 10 mil two years ago. And of course the registration is free of charge.

文書は重要(税務調査対策)

新聞などで、追徴課税のニュースが出る際に「見解の相違」という言葉が良く出てくると思います。 この「見解の相違」とは何でしょうか?

税法はもちろん法律ですので、相当細かい検討を重ねて精緻に作られています。またその上、税務の世界には「通達」という、法律ではないものの法律に近い拘束力を事実上持っている決まりがあります。 しかし、それだけ細かい内容が決められていても、その運用方法や趣旨の認識には少し幅があります。 また、税法というのは基本的に「何かの事実が発生した場合」に「どのような課税を適用するか」について定めた法律です。ですから、その「何かの事実」について納税者側と国税側に認識の相違があった場合、課税の前提となる事実認識のから争いが起こることになます。

しかし、通常は調査する側である国税側の方が、調査を受ける側の方がやはり立場が弱いものですから、そのような「見解の相違」があれば、どうしても調査を受ける側が引いてしまう場合が多いようです。これがいわゆる「見解の相違」が「調査の結論」と言われる所以です。

まあいくら納税者側が口頭で正当性を主張しても、その話を調査官がそのまま税務署へ持ち帰る訳にはいきません。 彼らとて公務員ですから、自らが法令の判断を明らかに誤っているのでない限り、納税者側の認識を補強する筋合いはありませんし、あまり納税者側をかばうようなそぶりを見せていては、自分の立場すら危うくするかもしれないのです。

 

さて、このような事象が発生した場合、納税者側の税理士としてはどのように行動すべきでしょうか。

有効な方法の一つは、「文書を提出すること」です。 この文書は、税法などが定める正式な文書ではありませんが、納税者側の主張や事実認定に関する項目を論理的に、かつ税法などの法令に基づいて説明するものです。

調査官に対してこのような文書を提出することで、納税者側の主張が認められる可能性は高くなります。
私は、これまで文書提出を得意分野の一つとしてきました。

十分に効果を発揮する文書を作成するためには、単に文章がうまいだけでは足りません。 一種職人芸的な、論理的思考に基づく文章構成が必須となります。 実はこんなところで、理系出身であることが役に立っています。 「論理的に物事を伝える文章を作成する」訓練は、工学部の卒論、修士論文、学会発表時の論文作成で担当教授から相当厳しく指導を受けているのです。

全く違う分野で何も使えるものはないかと思っていましたが、こういう意外なものを含め、人生無駄なものは何もないんだなぁと感慨深いですね。

税務調査でお困りの方、特に真面目にやっている自信があるのにいわれのない論点で責められている方。
関東や九州の案件でも、電話やファックス、メールのみで解決した実績もございます。地域に関係なく一度ご相談ください。