カテゴリー別アーカイブ: 所得税

今年の年末調整は大変!(改正とその他のお話)

今年も年末調整の季節がやってきました。
ここ数年「新元号」「配偶者控除の改正」やそれに伴う用紙の変更などがあり毎年注意点が多かったのですが、今年はさらに永年大きく変わらなかった論点(基礎控除や給与所得控除)にまで改正がある大変な年になります。
改正論点を中心にわかりやすく解説しますので、経営者や給与担当の方は是非早めに手続きのスタートを、また働く皆さんはできるだけ早めに資料の提出をしましょう。

1.年末調整とは
年末調整とは、年末に在籍している役員・社員を対象として、毎月の給与や賞与から「天引き」(源泉する、といいます)されている所得税を、年末に精算する手続きのことを言います。
この精算が必要な理由は、主に以下の通りです。

  • 所得税の計算は年末時点を基準にしているものがほとんどで、年末にならないと状況が確定しない
  • そもそも、毎月の給与や賞与から計算されている税額は「仮計算」でしかなく、年末までの支給額を確定しないと正確には税金が計算できない

年末調整2020
年末調整の流れ(国税庁「年末調整のしかた」より)

実はこの年末調整、上のフローチャートをご覧頂くとわかる通り、皆さんが記載される面倒な用紙(扶養控除等申告書、基礎控除申告書、配偶者控除等申告書、所得金額調整控除申告書、保険料控除申告書、住宅ローン控除申告書)の作成はプロセスのほんの入り口なのです。そして実はその後の手数が非常に面倒なため、会社側(特に人事部や経理部)には結構負担がかかっています。

このため、遅れたり督促されたりした場合に担当の方が不満な顔をしていても、ただでさえ面倒な手続きをさらに遅らせているわけですからわからないでもありません。
その入り口となる書類についてはできるだけ誤りや抜けのないよう、期限までに必ず出すよう協力してあげましょう。

2.令和2年から適用される改正一覧
今年(令和2年)から適用される改正は、以下の通りとなっています。

  • 給与所得控除の引き下げ
  • 基礎控除の引き上げ
  • 所得金額調整控除の創設
  • 配偶者控除、扶養控除などの合計所得金額要件の見直し
  • 未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除の見直し
  • 電子手続

3.給与所得控除の引き下げ
給与については、支払いを受けた給与額から、給与額に応じて変動する一定額を差し引いた金額に税金をかけることになっています。この「差し引く一定額」を給与所得控除と言います。
この給与所得控除の計算表が、下記の通り改正されています。

給与所得控除改正
給与所得控除の改正

 この表は慣れないとわかりにくいのですが、給与収入が増えるに従って、少しずつ給与所得控除額が増えるように作られています。
改正前後を比べてみると、給与収入が850万円までは給与所得控除が10万円減少し、その後は25万円まで減少幅が広がるように改正されています。
その分所得税が増えることとなりますが、後で説明する基礎控除の改正、所得調整控除の創設により一部増税の影響を打ち消すこととしています。

4. 基礎控除の改正
所得には全て税金がかかるわけではなく、「基礎控除」と呼ばれる最低ラインが設けられています。この基礎控除については、長い間どんなに所得の高い人であっても適用がなされてきたのですが、下記の通り合計所得金額2,500万円を超える方についてはとうとう適用がなくなってしまいました。
他方、2,400万円以下の所得者については10万円増額されています。

基礎控除改正
基礎控除の改正

この金額を計算するため、従来の年末調整書類に加え「給与所得者の基礎控除申告書」という用紙に記入の上提出する必要があります。

 5.所得金額調整控除の創設
その年の給与の収入金額が850万円を超える所得者で、
①特別障害者に該当する人
②年齢23歳未満の扶養親族を有する人
③特別障害者である同一生計配偶者を有する人
④扶養親族を有する人
の総所得金額を計算する場合には、給与の収入金額(但し1,000万円が限度)から850万円を控除した金額の10%に相当する金額を、給与所得の金額から控除することとされました。

この金額を計算するため、従来の年末調整書類に加え「所得金額調整控除申告書」という用紙に記入の上提出する必要があります。

6.配偶者控除、扶養控除などの合計所得金額要件の見直し
いわゆる「扶養の対象」である、同一生計配偶者、扶養親族、源泉控除対象配偶者、配偶者特別控除の対象となる配偶者及び勤労学生の合計所得金額要件がそれぞれ10万円引き上げられ、次の表のとおり改正されました。これは、基礎控除の最低限度が4.の通り引き上げられたことに関係したものです。

扶養所得条件改正
配偶者控除・扶養控除合計所得金額改正

 7.未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除の見直し
配偶者と死別したり離婚して未婚のままであったり、扶養家族や子供がいる人、所得が一定の額以下の人を所得税法上「寡婦」や「寡夫」(両方とも「かふ」)と呼び、その条件に応じて課税所得が控除されることになっています。この制度、従来は女性の要件が少し広くなっていたり、全ての要件を満たす女性は控除額の割り増しがあったりと、男女差のある制度となっていました。
また、この制度の適用があるのは「民法上の婚姻関係にある者」に限られ、未婚のひとり親については対象となっていませんでした。
令和2年の改正においてはこの点が見直され、「ひとり親控除」と新しい「寡婦控除」制度に再編されました。
この改正については、別のページ ひとり親控除(令和2年 税制改正) において詳しく解説しています。

8.年末調整の電子手続
元々、「保険料控除申告書」や「住宅ローン控除申告書」を従来は書面(ハガキ等)で添付していた保険料控除証明書等は、保険会社等から送られる控除証明書等の電子データで提出することができることになりました。この手続を可能にするため、年末調整手続において、これらの電子発行された控除証明書等データ提出するための「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」(以下「年調ソフト」が無償提供されています。
年末町営の電子申告イメージは下記の通りです。

年調電子化

 

なお、従業員から年末調整申告書に記載すべき事項を電子データにより提供を受けるためには、勤務先があらかじめ所轄税務署長に、「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」を提出し、その承認を受ける必要があります。この申請書を提出した月の翌月末日までに税務署長から承認又は承認しないことの決定の通知がなければ、この申請書を提出した月の翌月末日に承認があったものとされていますので、例えば12月から年末調整手続の電子化を行う場合には、念のためこの10月末までには申請書を提出しておく必要があります(10月提出→決定通知がない場合には翌月、すなわち11月末日に承認があったものとみなされる→12月から利用可能)。

 

9.その他以前からの年末調整注意点 (改正で説明した書類を除く)
①扶養控除(異動)等申告書

年末調整においては最も一般的な様式で、要するに「年末時点での扶養家族について書く」書類です。しかしこの様式は意外と重要で「(仮に記載すべき扶養家族がなかったとしても)提出しなければあなたの毎月の源泉所得税額を非常に大きな率で計算しなければならなくなります。
なお年末時点の扶養家族状況はすなわち年明けの状況なので、それを考えて来年用(今年なら「令和3年用」)の用紙に記載してもらいます。

②配偶者控除等申告書の書き方
年末までの「本人と配偶者の所得見積額」を記載します。
配偶者控除、配偶者特別控除が前回の改正で廃止され「103万円」の制限がなくなったため、より複雑になっています。なお、年末までに実績が見積額と変わった場合は、翌年1月(源泉税の納付や源泉徴収票の提出)までは会社が訂正するか、または自分で確定申告が可能です。

③保険料控除申告書
保険料控除申告書は、生命保険料、地震保険料、社会保険料(国民年金や健康保険料)、小規模企業共済などを自分で支払っている時に記載します。また受取人が配偶者や親族となっている生命保険料や、生計を一にする親族の家屋を対象にした地震保険料が含まれます。
この控除証明書を提出する際には、証明書の添付、特に生計を一にする親族の国民年金支払証明書を忘れないようにしましょう。また、控除証明書に記載してある区分(生命保険の一般、個人年金、介護や地震保険の地震、旧長期など)についても十分注意して記載しましょう。

④住宅ローン控除申告書
正式には「住宅借入金等特別控除申告書」と言います。
ご存知の通り、この制度は住宅ローンを借りて家を購入した場合、数年に渡って住宅ローン残高の一定割合を所得税から控除してくれる制度です。しかし、1年目は必ず確定申告で手続きしなければなりませんので注意して下さい。

オンライン忘年会の費用を会社が払ったら?

新型コロナウイルス感染症は、ビジネスや観光、日常生活といったあらゆる分野に大きな影響を与えています。
中でも著しい影響を受けているのが、「人が集まる機会」です。
飲み会やパーティ、ライブ、スポーツなどのイベントにはたくさんの人が密な空間に集まりますので、どうしても感染可能性が高まってしまいます。
このため、多人数での飲食を禁止している会社も多いと思います。

1.オンライン飲み会
そんな中注目を浴びているのが「オンライン飲み会」です。
オンラインミーティングの機能を使って皆がバーチャルに顔を見ながら、それぞれが自宅などに用意した食事や飲料とともに会話を楽しむという、まさに新しい常識(ニューノーマル)を象徴するような機会です。

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2.イベント費用の会社負担
新型コロナウイルスが問題となるまでは、会社は従業員間の親睦をはかって一体感を高めるために、リアルな飲み会、食事会といったイベントを普通に開催してきました。特に年末になるとほとんどの会社が「忘年会」を開催し、皆で一年間の頑張りを慰労する機会を設けていました。
この忘年会、会費制の場合もありますが多くの会社は一部又は全部を会社が「福利厚生費」として負担しています。これは、前述の通りこのようなイベントが会社の円滑な運営の為必要ということがその理由です。
そのため、税法も

  • 専ら従業員の慰安のために行われるイベントのため通常要する費用
  • それらが社会通念上一般的に行われていると認められるイベントであること

であれば、「課税(※)しない」スタンスを採っています。
但し、そのイベントに参加しなかった役員又は使用人(業務のため参加できなかった者を除く)に対しその参加に代えて金銭を支給する場合や、役員だけを対象としてイベントの費用を負担する場合には課税されることとなっています。

※今回のブログに言う「課税」には、法人税や所得税における課税が含まれますが、その内容については説明を簡単にするため省略します。

 3.オンライン飲み会の費用補助
では、オンライン飲み会でそれぞれの参加者が必要とする食事や飲料に充てる費用を会社が負担した場合にはどうなるでしょうか。
まず、元からある「イベント費用を会社が負担した場合」に課税されないための条件は満たしている必要があると思います。
すなわち、①専ら従業員の慰安のために行われるイベント、であり、②そのために通常要する費用(高すぎないこと)、そして③そのイベントが社会通念上普通のものであること、という条件になります。

オンライン飲み会は、コロナ禍前には一般的ではなかったかもしれませんが、現在の「新しい社会通念」においてはもう既に普通になっていると思います。
また、飲み会で通常会社が負担している一人当たりの費用より少ない金額であれば、「そのために通常要する費用」として考えても間違っていないと思います。
問題になるのは、それぞれの社員に金銭(金券や電子マネー等金銭同等物を含む)を支給することそれ自体です。
課税されない条件として最も確実なのは、上の条件に加え「実際に参加して係った費用のレシート等を収集し、これについて会社から補助を行うこと」です。このことで、法人税、所得税は課税されません。またついでながら消費税も控除の対象になると思います。

ただ、たくさんの社員からいちいち細かいレシートを取得し、精算するというのも面倒なので、社員全員へ一律に一定額を支給するというケースもあり得るでしょう。このような場合、参加しなかった者への参加に代えて支給する金銭や、実際に要した金額を大きく超える場合については、その支給する金銭は課税されることになると思います。

この論点はまだ非常に新しく事例も少ないので、法令や現在の取り扱いに照らしながら考えてみました。参加した者に対する実費を精算することが一番安全ですのでまずはその方法をお勧めしますが、その他の方法の場合は、顧問税理士などに十分ご相談の上実施されるのが良いと思います。

CRS(共通報告基準)であなたの口座情報が筒抜け?

皆さん「CRS」という言葉をご存知でしょうか?
最近、国際的な脱税や租税回避に対する批判が高まっています。
アップルのような大企業のみならず、中小企業や個人富裕層までもが様々な手段を利用して課税を逃れようと工夫を重ねています。
この「CRS」という制度は、このような脱税や租税回避に対処するため2017年から運用されている国際基準です。
金融機関はこの制度に基づき、顧客情報をより詳しく把握して国税当局に報告し、当局は各国間でこの情報を共有しています。

1.CRSとは
OECDは、外国の金融機関等を利用した国際的な脱税及び租税回避に対処するため、非居住者に係る金融口座情報を税務当局間で自動的に交換するための国際基準である「共通報告基準(CRS:Common Reporting Standard)」を公表し、日本を含む各国がその実施を約束しました。

OECD加盟国はこの基準に基づき、各国の税務当局は、自国に所在する金融機関等から非居住者が保有する金融口座情報の報告を受け、租税条約等の情報交換規定に基づき、その非居住者の居住地国の税務当局に対しその情報を提供します。

このため国内に所在する金融機関等は、平成30年以後、毎年4月30日までに特定の非居住者の金融口座情報を所轄税務署長に報告し、報告された金融口座情報は、租税条約等の情報交換規定に基づき、各国税務当局と自動的に交換されることとなります。

2.日本における状況
日本においては、国税庁が「租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(実特法)」を改正しCRSに対応しています(平成29年1月1日から施行)。

日本の金融機関は、この実特法に基づき、新たに口座開設等を行う顧客の、「税務上の居住地」を記載した届出書の提出を依頼することになります。また顧客の税務上の居住地に日本以外の居住地があり、その居住地が報告対象国である場合、顧客の口座情報等を年1回、金融機関より国税庁に報告することが義務付けられています。

最近、新しい銀行口座を開設する上で、開設者本人やその関係者、法人の実質支配者などを詳細に書かせるようになった背景がここにあります。

3.具体的な手続き、注意点など
海外の税務当局は、所有している個人情報・法人情報(氏名、名称、住所等、納税者番号など)と収入に関する情報(利子配当譲渡収入など)、また口座番号やその口座に所有している預金や有価証券等の残高を日本の国税庁に提供します。
逆に、日本の国税庁からは、上記と同様の情報が海外の税務当局に提供されます。運用の始まったマイナンバーは、納税者番号として取り扱われているようです。なお、口座残高が25万ドル以下の場合は情報交換の対象外となっています。

この情報交換は2018年から始まっており、国税庁はその内容と日本での申告書や「国外財産調書(年末時点で5,000万円超の国外財産を有する者に提出義務のある資料)」を照らし合わせる作業を進めています。また、この照合結果を基礎として、順次疑いのある納税者に税務調査を進めることになっています。

最近はこの制度を生かした調査が行われており、下記のような報道も出ています。

調査対象者の男性は国外に預金口座を複数保有していた。大阪国税局はCRSなどで得られた情報をもとに税務調査を実施。調査の結果、一部の預金口座の存在を認めたが、その他は認めなかった。CRS情報で得られた口座情報を活用して追及した結果、意図的に海外預金の利子を申告していなかった事実を認めた。申告漏れ所得の総額は約5500万円で重加算税を含めた追徴税額は約2700万円だった。(日本経済新聞 「富裕層」の申告漏れ最多、1年で763億円 国税庁調査 2019/11/28)

なお、最近のCRSの運用については、国税庁が下記のような資料を公表しています。
平成 30 事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要(国税庁 PDF)

もし無申告の高額海外資産をお持ちの場合、全て情報交換の対象になりますので、税理士に相談の上できるだけ早く自主的に申告なさることをお勧めします。

ひとり親控除(令和2年 税制改正)

1.改正について

「寡婦」、「寡夫」(両方とも「かふ」と読みます)という言葉をご存知でしょうか。
配偶者と死別したり離婚して未婚のままであったり、扶養家族や子供がいる人、所得が一定の額以下の人を所得税法上「寡婦」や「寡夫」と呼び、その条件に応じて課税所得が控除されることになっています。

この制度、従来は女性の要件が少し広くなっていたり、全ての要件を満たす女性は控除額の割り増しがあったりと、男女差のある制度となっていました。
また、この制度の適用があるのは「民法上の婚姻関係にある者」に限られ、未婚のひとり親については対象となっていませんでした。

令和2年の改正においてはこの点が見直され、「ひとり親控除」と新しい「寡婦控除」制度に再編されました。

2.ひとり親控除(35万円)

ひとり親とは、現に婚姻をしていない者又は配偶者の生死の明らかでないことに加え、さらに下記の要件を満たす者を言います。

  • 生計を一にする一定の子があること
  • 合計所得金額が 500 万円以下
  • 事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者がないこと

ひとり親である場合には、ひとり親控除として、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から35万円を控除することとされました。
この35万円の控除は、従来の制度で「特別の寡婦」として認められていた割り増し控除額になります。
従来は女性のひとり親にしか認められていなかったのに対し、新しい制度においてはひとり親条件を満たせば男性でも適用されることになります。

3.(新しい)寡婦控除(27万円)

改正後の「寡婦」とは、次に掲げる者でひとり親に該当しないものをいいます。
(1)夫と離婚した後婚姻をしていない、次の要件を満たす者

  • 扶養親族を有すること
  • 合計所得金額が 500万円以下であること
  • その者と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者がいないこと

(2)夫と死別した後婚姻をしていない者又は夫の生死の明らかでない次の要件を満たす者

  • 合計所得金額が 500万円以下であること
  • その者と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者がいないこと

改正前の「寡婦」の要件との主な違いは、
①扶養親族を有する寡婦についても「合計所得金額要件」が追加された
②「非事実婚要件」が追加された
ことになります。

4.改正前後の適用判定変動
改正前後で、それぞれの方の適用がどのように変動するかについては、国税局「年末調整のしかた」に下記の通り判定図が掲載されています。

ひとり親控除判定

5.改正の適用開始日、その他

これらの改正は、令和2年分以降の所得税について適用されます。
まず令和2年の年末調整や確定申告について適用され、また令和3年の給与、公的年金の源泉徴収税額計算の際にも新しい制度を適用して計算します。
なお、住民税でも同じ制度改正があります。控除額は、所得税で35万円の場合には30万円、27万円の場合には26万円の控除となります。

以上

Refund of the consumption tax and the registration for foreign companies

1)Refund of the consumption tax for foreign companies

For registered taxpayers, consumption tax to be paid (except in “simplified deduction” status) is calculated deducting the amount of paid consumption tax from a consumption tax for taxation sales. This deduction is calculated by multiplying “taxation sales ratio” by paid consumption tax(*). Therefore, zero taxation sales makes no tax return because both taxation ratio and deduction are zero.

However, export sales which is treated as a consumption tax exemption is included in taxation sales when taxation sales ratio is calculated. If there is not any other tax-free income (land loan, transfer of securities, bank dividend and so on) in Japan, all of paid consumption tax will be returned theoretically.

The payment consumption tax paid by becoming a taxation enterprise will be returned entirely theoretically if other tax-free incomes (land loan, securities transfer, a dividend) do not occur in Japan.

——————-
(*)If “taxation sales ratio” is more than 95% and taxation sales of the period is not exceeding 500mil Yen, all amount of the paid consumption tax can be deducted.

 

2)Consumption tax registration

“Taxpayer registration” should be filed to the local branch of national tax agency. But when tax return is filed once, they will register as a taxpayer without any registration (practical treatment).

Nonetheless if you want to control the status of consumption tax (Actual amount deduction, simplified deduction, and exemption), taxpayer registration should be filed. For example, “taxpayer registration” should be filed to refund consumption tax paid if taxable sales was less than or equal 10 mil two years ago. And of course the registration is free of charge.

個人事業主と消費税

1.はじめに

最近消費税については、増税(税率アップ)が決まったり、生活必需品などへの軽減税率の適用などの議論がなされています。 増税になると価格への転嫁を考える必要も出てきますし、営業への影響を懸念される方も多いと思います。
ですが、事業主の方にとって従来からもっと大事なことが見落とされている場合が多いですので、今回簡単にご説明&注意喚起しておきます。

2.仕入税額控除

日本の消費税は「税額控除方式」を採っています。
これは、売上にかかる消費税から、仕入や経費など支払にかかる消費税を差し引くことで納税すべき金額を差し引く方式です。

本来、預かった消費税である売上消費税から支払った消費税(消費税法上は「仕入税額」と言います)を当然差し引いて納税する消費税額を計算すべきなのですが、日本の消費税法にはちょっと問題な規定があります。それが、「帳簿等記載要件、請求書等保存要件(消費税法30条、末尾に条文抄を記載)」です。

この規定は「仕入税額を控除したかったら、仕入や経費の支払について
①相手先
②年月日
③仕入などした資産やサービスの内容
④支払対価を記載した帳簿
⑤請求書等
を保存しておかなければならない」というものです。 この要件、①~④の帳簿に関するものは「帳簿記載要件」、⑤の請求書等に関するものは「請求書等保存要件」と呼ばれます。

消費税導入当初はもう少し甘いものだったのですが、平成9年の改正(税率が3%→5%になった)際、同時に現在の厳しい内容へと改正されました。

3.税務調査時のリスク

小規模な事業者で「簡易課税(売上税の一定率を仕入税額控除額とみなす方式)」を採用できていれば当面問題はありませんが、給与支払が少なく外注費が多いなど、簡易課税が不利になる事業者の場合は売上が小規模であっても注意が必要です。

この規定、条文を見てもわかるとおり「災害その他やむを得ない理由」を除いて宥恕規定(一定の事情があれば要件を満たしていない場合も認めてもらえる)が定められていません。調査の過程で仕入先に関して上の要件の一つでも満たしていなければ、「その取引に関する仕入税額控除は否認」と言えてしまうわけです。

実際に、この論点で消費税の仕入税額控除を否認しようとする調査官も最近はぽつぽつとあらわれています。 現在でも仕入税額控除が認められなければ税負担が上がりますが、今後増税になると、その影響も税率に比例して大きくなります。

4.対応

上で説明しました帳簿記載要件を満たすためには、青色申告(きちんと帳簿を作成する代わりに、様々な税務上の有利な制度が認められます。青色申告でないものを白色申告と言います)で作成すべきものと同レベルの、きちんとした帳簿を作成する必要があります。
また平成26年度からは全ての白色申告者についても帳簿作成が義務化されますし、先に述べました簡易課税についても、廃止または適用事業規模の縮小が議論されています。

ご自分で、もしくは税理士に頼んでなどどのような方法でも良いですが、まだきちんと整備ができていない事業主がおられましたら、青色申告、白色申告に関係なく請求書等の保存と帳簿の整備をお勧め致します。

以上

(仕入れに係る消費税額の控除)
消費税法 第三十条
(略)
7  第一項の規定は、事業者が当該課税期間の課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿及び請求書等(同項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額の合計額が少額である場合その他の政令で定める場合における当該課税仕入れ等の税額については、帳簿)を保存しない場合には、当該保存がない課税仕入れ又は課税貨物に係る課税仕入れ等の税額については、適用しない。ただし、災害その他やむを得ない事情により、当該保存をすることができなかつたことを当該事業者において証明した場合は、この限りでない。
8  前項に規定する帳簿とは、次に掲げる帳簿をいう。
一  課税仕入れ等の税額が課税仕入れに係るものである場合には、次に掲げる事項が記載されているもの
イ 課税仕入れの相手方の氏名又は名称
ロ 課税仕入れを行つた年月日
ハ 課税仕入れに係る資産又は役務の内容
ニ 第一項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額
(略)
9  第七項に規定する請求書等とは、次に掲げる書類をいう。
(略)

文書は重要(税務調査対策)

新聞などで、追徴課税のニュースが出る際に「見解の相違」という言葉が良く出てくると思います。 この「見解の相違」とは何でしょうか?

税法はもちろん法律ですので、相当細かい検討を重ねて精緻に作られています。またその上、税務の世界には「通達」という、法律ではないものの法律に近い拘束力を事実上持っている決まりがあります。 しかし、それだけ細かい内容が決められていても、その運用方法や趣旨の認識には少し幅があります。 また、税法というのは基本的に「何かの事実が発生した場合」に「どのような課税を適用するか」について定めた法律です。ですから、その「何かの事実」について納税者側と国税側に認識の相違があった場合、課税の前提となる事実認識のから争いが起こることになます。

しかし、通常は調査する側である国税側の方が、調査を受ける側の方がやはり立場が弱いものですから、そのような「見解の相違」があれば、どうしても調査を受ける側が引いてしまう場合が多いようです。これがいわゆる「見解の相違」が「調査の結論」と言われる所以です。

まあいくら納税者側が口頭で正当性を主張しても、その話を調査官がそのまま税務署へ持ち帰る訳にはいきません。 彼らとて公務員ですから、自らが法令の判断を明らかに誤っているのでない限り、納税者側の認識を補強する筋合いはありませんし、あまり納税者側をかばうようなそぶりを見せていては、自分の立場すら危うくするかもしれないのです。

 

さて、このような事象が発生した場合、納税者側の税理士としてはどのように行動すべきでしょうか。

有効な方法の一つは、「文書を提出すること」です。 この文書は、税法などが定める正式な文書ではありませんが、納税者側の主張や事実認定に関する項目を論理的に、かつ税法などの法令に基づいて説明するものです。

調査官に対してこのような文書を提出することで、納税者側の主張が認められる可能性は高くなります。
私は、これまで文書提出を得意分野の一つとしてきました。

十分に効果を発揮する文書を作成するためには、単に文章がうまいだけでは足りません。 一種職人芸的な、論理的思考に基づく文章構成が必須となります。 実はこんなところで、理系出身であることが役に立っています。 「論理的に物事を伝える文章を作成する」訓練は、工学部の卒論、修士論文、学会発表時の論文作成で担当教授から相当厳しく指導を受けているのです。

全く違う分野で何も使えるものはないかと思っていましたが、こういう意外なものを含め、人生無駄なものは何もないんだなぁと感慨深いですね。

税務調査でお困りの方、特に真面目にやっている自信があるのにいわれのない論点で責められている方。
関東や九州の案件でも、電話やファックス、メールのみで解決した実績もございます。地域に関係なく一度ご相談ください。

確定申告期に入ります&事務所の写真

(確定申告期に入ります)
今年の確定申告期間は、曜日の関係で「2月18日(月)から3月15日(金)まで」となっています。 この時期はどの税務署も会計事務所も非常に忙しくなりますが、私どもも例外ではありません。

もちろん納税者の方にとってもこれは同じです。また日本には米国のように柔軟性の高い期限延長制度もありませんので、如何に忙しくても基本的にはこの期間に提出する必要があります。

士業や健康保険割合の多い医師の方、医療費控除や住宅ローン控除(初年度)など、源泉所得税が還付される場合には確定申告期間と関係なく、今年の1月1日から申告書が提出できます。 いずれにしても、会計事務所や税務署窓口は確定申告期間になると非常に込み合いますので、できるだけ早めのご準備、申告をおすすめ致します。

(参考) 日本の所得税の申告期限延長。災害その他やむを得ない場合のみ
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/32.htm

米国所得税の申告期限延長。単に忙しくてもOK
http://www.irs.gov/uac/Extension-of-Time-To-File-Your-Tax-Return

(事務所会議室の写真)
私どもの事務所の会議室です。少し狭いですが、居心地良く密度の高い会議ができるようになっています。

所得調査心得(税務大学校で行われていた講義内容)からの抜粋

税務大学校(国家公務員として採用された税務職員に対して必要な研修を行う機関)の授業で使われている資料の一部が古い書類の間から出てきました。
現在の調査対策に通じるところもあるので、コラムとして掲載します。
なお内容については、抜粋しているのと、若干変更したところもあるのでご容赦ください。

  • 入ってから相手の動きに注意せよ
  • 必ず帳簿の近くに座を占めよ
  • 相手の目はどこへ行きたがっているか
  • 記録らしきものがあればまず穏やかに確保せよ
  • 事務室を動くな
  • 出された帳簿にこだわるな
  • 原始記録の発見が第一
  • そこにあるものは全部出させよ
  • 臨店してから出ていく者に注意せよ
  • 視野の範囲に何が見えるか
  • メモはないか(特に卓上、ホワイトボード、電話)
  • 扉の影に手提げ金庫はないか、あったら必ず開けよ
  • 空き箱の山に注意
  • 芋づる式に追及せよ
  • 家族は案外正直に答えるものだ
  • 急所が出たら容赦するな
  • 売りでも買いでも一つの取引を抜きだして経路をたどれ
  • 小さいものが全て大きいことを心得よ
  • そろばんを持つのは最後の最後