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医療機関のキャッシュフロー(倒産しないために)

医療機関に限らず、どんな事業体でも「利益が上がらない」からといってそれだけでは倒産しません。事業体の倒産は、必ず「資金ショート(支払不能)」によって起こります。

資金があれば取引先や従業員への支払いが可能ですが、尽きてしまえば支払が出来ず、信用が落ちますから仕入も翌月払いなどが使えなくなり、事業活動が出来なくなります。

何より、給与の遅配などが発生すると、「破綻目前」の烙印を押されることが多いです。

このような資金ショートは通常の経営をしていると起こりませんが、経営のバランスが崩れるとたちまち顕在化します。
倒産を防止するためには、収益だけではなくキャッシュフロー(お金の流れ)を認識しておく必要があるのです。

2020年から続く「コロナ禍」は、多くの事業で大きな問題を引き起こしましたが、その最大のものが「事業の停止による資金繰り悪化」だと言えます。

今回は、医療機関を例にとってキャッシュフローの考え方と、その判断方法を説明します。

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1.キャッシュフローとは
キャッシュフローは、文字通り「お金の流れ」を言います。
通常大きな利益を上げている病院は、プラスのキャッシュフロー額が大きく、収益性(売上高当たり利益や、職員一人当たり利益など)の高い病院は、キャッシュフローに関する指標も良好です。

しかし、収益とキャッシュフローの間にははっきりとした違いがあり、経営のバランスが崩れた場合等にはこれが大きな影響を及ぼすのです。

例えば、収益とキャッシュフローがずれる場合は以下のようなものです。

  • 診療報酬の計上タイミング
    収益は診療月に計上するが、キャッシュフローは2か月後
  • 診療材料等の支払
    締め・支払のタイミングにもよるが、収益計算上は納品月、キャッシュフローは1~2か月後
  • 診療材料、医薬品在庫
    収益は「つかった時」に費用として処理する(在庫部分は費用にならない)が、キャッシュフローは「払ったとき」
  • ボーナス
    収益上は通常毎月引当して費用化するが、キャッシュフローは支払月
  • 設備投資
    収益上は、数年~数十年の割合で割って費用化(減価償却)するが、キャッシュフローは購入時点
  • 窓口未収
    診療時に収益計上するが、未収入部分がある場合、キャッシュフローは回収するまで上がらない。

医療機関の場合、やはり社会保険診療報酬の特殊性がキャッシュフローに影響を与える場合が多くなります。
例えば今回のコロナ禍に当てはめると、

  1. 緊急事態宣言などで来院患者が減少
  2. 窓口収入が減少するが、全体の7割を占める保険診療報酬支給額はまだ支払われる
  3. その間給与や仕入支払などを支払う
  4. 2か月後、来院患者が減少した月の報酬支払を受けるタイミングで収入が大幅に支出を下回り、支払が苦しくなる

といった順で問題が起こります。

2.キャッシュフローの種類
①医業活動によるキャッシュフロー
これは本業たる医業から発生するキャッシュフローです。
医業収益から医業費用を差し引きますが、前項で説明した通り、損益とキャッシュフローの間には「ズレ」がありますから、全く同じものではありません。

ただ、この項目が赤字の場合は「本業で頑張ってもお金が減っていく」訳ですから、病院経営の継続性には大きな疑問符が付きます。

投資活動によるキャッシュフロー
長期貸付金や投資有価証券等、投資目的の支出、また建物、機器等の設備投資がこれに当たります。大きな所ですと、M&A(合併・買収)等もこの種類に含まれます。
このキャッシュフローは黒字だったら良いというものではありません。
本来、医業活動によるキャッシュフローから生まれた資金を継続的に将来に向け投資するのが健全な経営ですから、通常はこのキャッシュフローは継続的に大きすぎない赤字傾向なのが良い状態なのです。
ここが黒字になっている場合、リストラによる資産売却等がなされているような状況もあり得ます。

なお、①と②を合わせたキャッシュフローを「フリーキャッシュフロー」と言います。これが大きいと、経営戦略の打つ手が多くなり、競争力や成長力が強いと言えます。

財務活動によるキャッシュフロー
銀行借入や医療機関債(一般企業の社債にあたる)、増資等の資金調達が行われた場合にはキャッシュフローがプラスとなります。また、借入金の返済等が行われるとマイナスとなります。
借入金が順調に返済され、特に増資や追加借入等も行われていなければ、このキャッシュフローは赤字になります。そして、その赤字が上で説明したフリーキャッシュフローの範囲で賄われていれば、病院経営は健全であると言える訳です。

3.キャッシュフローの黒字、赤字の見方
最後に、3つのキャッシュフローがそれぞれ黒字、赤字の場合どのような状態が想定されるかの事例を説明します。

①医業、投資、財務全てが黒字の場合
全てが黒字なので非常に良い状態かと思いきや、そうではありません。
せっかく作った医業によるキャッシュフローを十分な投資(機器やシステム)に回さず、または資産を売却し(投資が黒字)必要のない借入を行っている(財務が黒字)という状態を示しています。
幸い本業は今のところ順調ですから、これらの原因を探って強い経営体質にしていく必要があります。

②医業が赤字、投資、財務が黒字の場合
本業の医業経営がうまく行っておらず(経費過剰など)、資金が足りないので資産を売却したり(投資が黒字)、追加借入を銀行に依頼している(財務が黒字)状態です。本業の赤字を解消するため、病院の運営体制を抜本的に見直す必要があります。

③医業が黒字、投資、財務が赤字の場合
本業が好調であり、そこから生まれたキャッシュフローを将来への投資、借入返済に回している健全な状態です。但し程度の問題であり、投資、財務の赤字が業務の黒字を上回るようなら、その投資内容や資金調達の方法を見直す必要があります。

いかがでしょうか?
キャッシュフローは医療機関の存続に極めて大きな影響を与えます。
特に、コロナ禍のような異常な状態においては、地域医療を安定して支えるため、自身の医療機関がどのようなキャッシュフロー状況なのかを掴み、改善へ努力する必要があります。
銀行からの資金調達のみならず、補助金・助成金なども活用して、大変な状況を乗り切るよう頑張りましょう。

なお、上記のような決算書レベルのキャッシュフローに加え、毎日の「資金繰り」に注意を払わなければならない場合、弊所がご提供する「資金繰り管理ツール」が大変役に立ちます。
この説明についてはこちら「倒産しないために~資金繰(しきんぐり)の重要性と便利なツール」をご参照ください。

病院と内部統制(医療法改正に関連して)

上場企業に対して平成20年4月から導入された「内部統制報告・監査」の制度や、平成18年から施行された会社法は、公認会計士の業界に「内部統制バブル」とも呼ばれる活況を呼びました。
内部統制システムを構築するためのアドバイスや、内部統制報告書の監査のため監査法人の業務は大幅に増えましたし、監査法人から独立してコンサルタント会社を設立するケースも多くありました。

それから10年以上経過した現在、内部統制という言葉は「監査コスト増」「内部統制報告書が不適正」とか、「重要な不備があった」といったマイナスイメージを持つものとなってしまいました。
しかしこの内部統制、実はその特性から、地方自治体、病院、社会福祉法人など非営利や公的な分野においても有効であり、また制度上も内部統制の整備が必要な状況となってきました。

今回は、病院における内部統制を例にとって、その概要と注意点をご説明します。

 

1.病院と内部統制

500床を超える病床数を備える大病院の場合、医・看護・薬局や事務局等非常に多くの役職員が従事する組織となるため、その組織管理を適切に行うことは、管理者の重大な責務となります。このような組織管理を考える際、「内部統制」は組織管理を考える際に重要かつ不可欠な概念となります。

内部統制を活用した組織管理手法は、一般的に株式会社などの営利企業の、しかも財務報告に関する分野に適用されることが多いですが、大病院等の医療機関も大企業と同様、職能別、階層別に組織化された存在であることに変わりはありません。このため、医療機関の特性に留意しながら、医療機関においても内部統制を導入することは、組織管理を適切に行うための手法として十分に有効です。

しかしながら、医療機関における内部統制は、その特性から一般の企業とは適用する目的や利用する構成要素が異なる場合もある点に十分な注意が必要です。

また、平成27年の医療法改正において、一定規模以上の医療法人に対して、公認会計士・監査法人による会計監査を受けることが義務付けられました(改正医療法第51条及び第70条の14)。
この「公認会計士等による外部監査」によって、おいては、監査の実施や意見に内部統制の整備状況が大きな影響を与えることが予想されており、この点でもますます重要性が増しています。

 

2.内部統制の説明

1992年にCOSO(「コソ」と読みます。トレッドウェイ委員会組織委員会の略称)が公表した「内部統制の統合的枠組み(COSOフレームワーク)」は、元々1980年代前半に発生した多くの企業の経営破綻が端緒となっています。

1985年にアメリカ公認会計士協会(AICPA)は、アメリカ会計学会、財務担当経営者協会、内部監査人協会、全米会計人協会に働きかけ、「不正な財務報告全米委員会(The National Commission on Fraudulent Financial Reporting)」(委員長J.C.Treadway, Jr.の名前を付してトレッドウェイ委員会)を組織しました。

このトレッドウェイ委員会は、多方面にわたる検討を行って1987年に「不正な財務報告」と題するレポートを公表し、不正な財務報告を防止し発見するためのフレームワークとその方策を勧告しました。この勧告においては、内部統制の重要性を指摘し、特にその評価に関する基準の設定ついて言及したことから、同委員会内に、内部統制のフレームワークを提示することを目的として、前述の組織委員会が組織されたのです。

このCOSOフレームワークは、内部統制は、事業体の取締役、経営者およびその他の構成員によって、以下の範疇に分けられる目的の達成に関して、合理的な保証を提供することを意図して、事業体の取締役、経営者およびその他の構成員によって遂行されるプロセスであると説明しています。

  • 業務の有効性と効率性(業務活動)…組織の業務が目的通り、効率よく実行されるか
  • 財務報告の信頼性(財務報告)…組織が公表する財務情報が正しいか
  • コンプライアンス(法令遵守)…組織が全体として法令等を遵守しているか

またCOSOフレームワークは、内部統制が下記の5つの要素から構成されていると説明しています。

  • 統制環境…組織の風土や経営者の姿勢など
  • リスクの評価と対応…組織が抱えるリスクの認識や対応
  • 統制活動…内部統制を有効にするため実際に行われる活動
  • 情報と伝達…組織内外におけるコミュニケーション
  • モニタリング…活動が適切に行われているかを確認

これらの内部統制を整備し、その整備状況についてテストやその評価を通じて問題点を認識し、さらにレベルの高い内部統制を整備していくというPDCAサイクルを繰り返すことで、そのような組織においてもその運営レベルを大きく改善することが可能になります。

 COSOCUBE
COSO Cube

3.医療機関の特殊性と内部統制

医療機関は、株式会社等一般的な営利企業と違い、下記のような特性を持っています。

  • 経営者を頂点とした組織体制から生まれるトップダウン性と、医療等の現場における活動から行われるボトムアップ性が組み合わされた組織構造
  • 職制の大きな違い(医療、看護、事務等)によるローテーション、部門間コミュニケーションの難しさ
  • 医療行為、医薬品の取り扱いや医療保険制度(患者から直接ではなく、医療保険などから大部分の診療報酬が支払われる)を中心とした業務の特殊性、複雑性
  • 委員会(様々な目的を持つ横断的組織)の存在
  • 医療法等法令に加え医の倫理に基づくコンプライアンス意識

これらの特性を端的に表す組織図の事例を以下に掲載します(WEBページで公表されているもの)
一般的な会社と似たトップダウンの組織の他、各種の委員会が設置されていることがわかります。
これらの委員会における活動によって医療法人の方針を決まることが多くあります。

組織図医療法人藤井会 北河内藤井病院 組織図

http://www.kitakawachi.fujiikai.jp/guide/organization.html

医療機関の内部統制、リスクマネジメントを検討する際は、少なくとも上記のような特性を理解した上で行う必要があります。このような特性を考慮して、内部統制の目的や構成要素を当てはめると、下記の通りになります。

内部統制の目的と医療

  • 業務の有効性と効率性(業務活動)
    病院の業務(診療行為や購買、総務、財務、経理等)が適切に行われ、また効率的に実施されているか
  • 財務報告の信頼性(財務報告)
    貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、財産目録といった、病院に必要な財務書類が正しく作成されているか
  • コンプライアンス(法令遵守)
    医療法、薬事法といった法令を遵守するだけではなく、医療における倫理についても正しい姿勢を保つ必要があります。また、労働基準法、税法といった医療以外の法令についても、医療機関の特性に留意しつつ遵守する必要があります

内部統制の構成要素と医療

  • 統制環境
    病院における経営者(社員、評議員、理事会、理事長など)の姿勢、病院における組織風土など
  • リスクの評価と対応
    医療におけるリスクマネジメント(医療安全対策)、周辺業務におけるリスクマネジメント
  • 統制活動
    事故防止活動などのチェック体制、診療報酬授受・購買等財務活動に係る承認体制
  • 情報と伝達
    医療事故、点数改定等医療に係る情報の収集、研修会や委員会活動など
  • モニタリング
    医療安全管理体制、事務手続等に関する検査や内部監査

 

以上、大変簡単ですが医療機関において内部統制がどのように適用されるかを説明しました。

「ダビンチ」の特許切れとその影響(特許法の意義)

皆さん、「ダビンチ」という製品をご存知でしょうか。
あの「レオナルド・ダビンチ」ではありません。
1999年にアメリカのIntuitive Surgical社が開発・発売した手術支援ロボットのことです。
高精細な内視鏡と、精密かつ動きの自由度が高いボットアームを組み合わせ、手術医師の操作を忠実に、しかし細密化して人間以上の手術を可能とする画期的な機器です。
1台1~2億円と非常に高い機器ですが、その効果は絶大です。
日本においても2000年に最初の導入がなされてから、公的保険の対象となったことで順次利用が増加し、現在は数百の病院で利用されています。

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「ダビンチ」実機(Intuitive社資料より)

私も病院で現物を拝見したことがありますが、異様な風体とは裏腹に人間ではとてもできない正確かつ細かい、自由度の大きい動きは「さすが」と思わせる迫力がありました。

さて、このIntuitive社が持つ特許は数千件に上りますが、これらの特許が数年前から期限切れを迎えています。

ほとんどの特許は発売までに出願を終えているはずですから、20年(通常の特許期限)を超える今年にはほぼ全ての特許が期限切れとなっている訳です。

これらの特許に関する情報は、図面や技術詳細とともに公開されています。
このため、特許の期限切れとなった今後は誰でもその技術を参考にして同様の製品を作ることができるのです。
ニュースに出ているだけでも、以下のような開発が進められているとのことです。

  • 川崎重工業と医療機器メーカーのシスメックスが共同出資し設立したメディカロイド:今年8月に厚生労働省から製造販売承認を取得し、国産初の『手術支援ロボット』ヒノトリを発売すると発表
  • 東京工業大学発のスタートアップ「リバーフィールド」:ロボットアームの駆動システムに空気圧を使用し、「手で触れている感覚」を伝える『手術支援ロボット』エマロを開発中
  • 米ジョンソン&ジョンソン:AIに強い米アルファベット(グーグル)と共同開発中

そうなると、発明したintuitive社は、せっかく特許をとっても意味がない、損じゃないか?と思うかもしれません。
実はここに、特許法の大変重要な意義が見えてくるのです。

特許が「発明で大儲け」の為にあると思われることが多いのですが、本質的な目的は違います。 特許法が冒頭の第1条で、「発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする」としている通り、特許はまず産業の発達を目的としているのです。 このため、特許の権利者はもちろん一定期間保護されるのですが、その代わりに特許の基本となった技術を世界中に公開しなければなりません。公開と保護を組み合わせることで、産業の発達を促進するのです。

今回のケースは、革新的な技術で世の中を変えた「ダビンチ」が、発明者に利益をもたらすと同時に産業や医療といった世の中を良くする力をもたらした、という特許法の考え方をストレートに示した事例だと思います。

なお、日本の特許庁は特許や実用新案、意匠、商標といった知財を自在に検索できるシステム(特許情報プラットフォーム)を公開しています。

また、上記の記事に関連して、弊所ブログ「医療行為は特許が取れない」も是非ご覧ください。

「個人クリニックの親子承継」(個人版事業承継税制について補足追加)

医療法人ではない「個人事業」としての開業医の場合、避けて通れないのが「医業承継」です。今回は、この「医業承継」のうち、後継ぎとなる子がある場合の「親子承継」について取り上げます。
医業承継は一般の事業承継とは異なる手続や注意点も多く、慎重に行う必要がありますので、院長先生や後継予定の若先生、ご家族またそのような方々を外から支える事業者、コンサルタントの皆様は是非ご一読下さい。

なお、平成31年の税制改正で導入が決まった「個人版事業承継税制」についての記述を追加しています。
弊所も現在、該当するお客様について適用を準備しています。

1.はじめに

医業承継とは
厚生労働省の調査によると、「病院開設者又は法人の代表者」や「診療所開設者又は法人の代表者」の平均年齢は年々増加しています。

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(図 厚生労働省統計資料より)

これは診療所において60歳以上の割合が大きく増加し、それ以下の年代が減少していることが原因です。このように医療機関においても高齢化が進んでいますが、特に私たちに最も身近な診療所の事業承継が円滑に行われることが、地域医療の安定的供給の観点からも重要です。

さて医業承継とは、文字通り「事業承継の医療版」です。
事業承継ですから、一般的な事業と同じく、「誰に引き継ぐか」や、税金の届出、顧客(患者さん)や従業員(スタッフ)の引継ぎ、金融機関との付き合いなど、多くの論点に注意しなければなりません。
しかし、医療については通常の事業会社と違って特別な法令、規制、ルールが多くあり、一般的な事業を引き継ぐ場合より多くの注意点があるのです。
以下、これらについて順にご説明します。

親子承継について
事業承継は大きく分けて①親族への承継と、②親族外への承継に区分できます。この点は医業でもその他の事業でも全く同じです。但し、個人事業である医業の場合は「医師免許」を持った後継者かどうか、という点について大きな制約があります。
親族への承継の場合、第三者への承継に比べて信頼性や自由度、患者さん方への受けなどの点でメリットがありますが、税務上は「自由がきく」点が「恣意的に税金を減らせる」ことにつながるものとして、様々な制限を置いています。
特に子への承継は後に「相続」が関係する点で重要ですし、後述する建物や医療機器など資産の譲渡や貸付する場合の「値決め」にも注意が必要です。

2.医療関係手続の注意点
開業と廃業
個人クリニックの場合は、親子間の承継であっても、開設者や管理者が代わるので、現院長の「廃業」と新院長の「開業」の手続きが必要です。
具体的には、保健所や年金事務所(社会保険事務所)、公共職業安定所、労働基準監督署、税務署、都道府県、市町村などに所定の届出をしなければなりません。特に社会保険事務局に提出する「保険医療機関指定申請書」は、保健所に提出する「開設届」とともに、提出タイミングに注意しましょう。開業して最初の1か月の保険診療が請求できない、すなわち入金が遅れてしまうケースもあり得ます。

施設認定の届出に注意
このような届出のうち、「施設認定」(特定の治療行為が可能な施設であることを認めるもの)についてはさらに注意が必要です。過去は基準を満たしていても、それがイレギュラーな判断を伴った認定であったり、途中で制度や取り扱いの改正があったりして現在の基準に照らすと認められないケースも偶にあります。そうなると、重要な保険請求が出来なくなってしまう恐れもあります。診療所施設の改修や新たな設備の導入が必要となる場合もありますので、保健所や地区医師会事務局などと事前に検討して対処を決めておきましょう。

3.税金関係の注意点
届出
税金関係の書類についても、廃業と開業の両方について、下記のような届出が必要です。期限を経過すると税制上の特典が受けられない場合もありますので、忘れないようにしましょう。

  • 親:廃業届/子:開業届
  • 青色申告の承認申請書…青色申告の特典を得るために必須です。原則として開業から2か月以内が期限
  • 青色専従者の届出書…配偶者など、親族に給与を払うためには必須。
  • 給与支払事業所等の開設届出書
  • 源泉所得税の納期特例届出書
  • 棚卸資産の評価方法の届出書
  • 減価償却資産の償却方法の届出書

この他、自費診療が多い場合には、消費税の届出が必要な場合もあります。

措置法の活用
医業の世界で「措置法」と俗に呼ばれる制度をご存知でしょうか?
正式には「租税特別措置法」の第26条のことを言います。
社会保険診療報酬(健康保険の対象となる診療)が年間5000万円以下(かつ全体の収入が7000万円以下)の場合は、社会保険診療報酬に関する経費については、実際の金額ではなく、「概算経費率(収入に対して一定率を掛けたものを経費にする)」を使えるものとした制度です。
この制度、一般的には実際にかかった経費を上回る概算経費となることが多く、小規模な医療機関にとっては非常に有利な制度となっています。
ところが、この制度はあくまで「年間」で計算しますので、年間の収入が上の制限を超過している場合でも、承継前(親)と承継後(子)の収入がそれぞれ制限を超過していなければ、それぞれこの制度を活用できるのです。例えば、年間の社会保険診療報酬が7000万円の診療所の場合、承継前の親先生の収入が3000万円、承継後の子先生の収入が4000万円であれば、それぞれ概算経費率が使えることになります。

税理士の対応
親子承継に限りませんが、医療機関における事業承継手続を行う場合には、税務、会計、法律だけではなく、医療制度特有の考え方も大変重要になってきます。
当事者たる医師親子がこのような知識を持っておくことはもちろん必要ですが、これらの手続を担当する税理士も十分にこれらを理解しておく必要があります。
また、様々な手続、届出を行う際には、それぞれの役所などの窓口担当者と事前に綿密な打ち合わせを行っておく必要がありますが、その際には医業経営に関する十分な知識と経験が必須です。
そんな訳で、少なくとも親子承継や医療法人設立など、医業特有の手続に関しては医業を良く知る税理士(「認定登録医業経営コンサルタント」などの有資格者)に担当してもらうことが安全です。

個人版事業承継税制
平成31年の税制改正で、「個人版事業承継税制」が導入されることとなりました。
この制度、後継者(※)が先代より事業用資産(土地建物や機械器具、車両、特許などの無形固定資産)を相続や贈与により移転を受けた場合、発生する相続税や贈与税の納税が次の事業承継まで100%猶予されるという制度です。
この制度は、2019年1月1日~2028年12月31日までの間に行われる事業承継相続、贈与が対象となります。
さて小規模なクリニックであっても、事業承継の容易さや税制上のメリットを考えて「医療法人」化することが非常に多いです。
しかしまだまだ多数を占める平成19年4月1日以前の「持分あり」医療法人はその持分が相続税の課税対象になるにもかかわらず、法人版の事業承継税制(贈与税、相続税の納税猶予)の適用対象外となっていました。
他方、平成19年4月1日以降に法人化すると、元々のオーナー医師の所有権は事実上なくなってしまいます(持分がないため)
このような問題を一挙解決する手法として、この個人版事業承継税制はクリニックの中長期経営方針に大きな影響を与えると考えております。

※経営承継円滑化法に基づく認定(申請は2019年4月1日から5年以内に申請)を受けていることが必要

4.スタッフ
医業や親子承継に限りませんが、事業を引き継ぐ場合にはスタッフの引き継ぎが大きな課題となります。
経験豊かな既存スタッフは、現場における業務をスムーズに継続する上で不可欠ですが、反面新院長のスタンスと合わない場合、反発があったり、極端な場合には経営に混乱を生じたりする可能性も否定できません。
このような既存スタッフを継続雇用する場合には、お互い十分なコミュニケーションを取り、新たな経営方針を十分に説明して理解させることが重要です。
もし既存のスタッフに退職してもらう場合には、退職金をどうするかは非常に重要な問題となります。また継続してもらう場合でも、あくまで親の廃業、子の開業ですから、既存のスタッフにはいったん退職金を支払うか、支払義務を子が引き継ぐかのどちらかを決めなければいけません。
退職金の計算方法や親子承継の場合の退職金引継ぎなどは、法令にも注意しながら決定する必要があります。

5.患者さん
一般的には「大先生の子供さん」が引き継がれたということで、現在の患者さんが引き続き通われる場合が多いようです。しかし、性格の違いや診療・治療スタンスの違いから、ある程度の割合で患者さんが離れていくこともあり得ます。
このため、一般的には子供の診療を主としつつ、一週間に短い時間だけ親先生が診療し、スムーズなつなぎを目指すことが多いようです。

6.その他の注意点
診療所などの不動産
ビルの一室など、診療所を他のオーナーから賃貸している場合には、親子間で賃貸借契約を引き継ぐ必要があります。一般的に診療所の契約の場合、親子間の契約であれば特段の抵抗なく引き継がれる場合が多いようですが、古い条項の見直しなど、念の為契約内容はきちんと確認しておきましょう。
不動産が親先生の自己所有となっている場合は、子供が引き継ぐ場合その場所を使わせてもらわなければなりません。このため、親子間であっても「賃貸借契約」が必要となります。
診療所と住居が一体となっている場合は、診療所部分と住居部分を区分し、診療所部分に関して契約書を作ることになります。
子供が親に支払う賃借料は医業における必要経費となり、親が受け取るものは不動産所得の収入となります。

医療機器などの器具備品
医療機器は、一般的に自己資金(借入を含む)での購入とリースによる使用があります。
前者の場合には、親から子へ「売却」や「贈与」するなどして移転するか、不動産のように「賃貸」して使わせる必要があります。またリースの場合は、必要に応じてリース会社とリース契約の引継ぎについて交渉する必要があります。

金融機関
親先生に銀行などの借入金がある場合、それが診療所に関するものであれば、子に引き継がせることが理想的です。しかし、個人間での借入金の引き継ぎは非常に難しく、条件や担保、保証人の変更で不利になる場合もあり得ます。このような場合、例えば借入金は親に残し、子は診療所資産(不動産や機器など)、診療報酬未収入金などを引き継ぐ対価として親に対して支払い義務(債務)を負い、その支払をそのまま親の借入金支払いにスライドさせるといった手法を採用することもあり得ます。

マーケティング・患者満足
親先生の世代のマーケティングは、電話帳広告や駅、近隣への看板など、旧来のメディアが主流でした。しかし最近はインターネットホームページやブログ、メールマガジン、ソーシャルネットワークなど新しいメディアを利用したマーケティングが主流となりつつあります。
また、クラウドを利用した予約システムなど、患者満足度と効率性を上げるツールも多く利用されています。
親子承継をきっかけとして、このようなツールの利用を検討されては如何でしょうか。
なお、医療機関には広告などに関する規制(ガイドライン、下記)がありますので注意が必要です。

医療広告ガイドラインに関するQ&A  同 事例集

 

医療行為は特許が取れない

iPS細胞等再生医療や遺伝子治療、AIの活用など、最近は特に画期的な治療・診断方法や手術手法がいくつも開発されています。また、新型コロナウイルスに対する治療法やワクチンの開発が全世界で急速に進められています。

これらは難病に苦しめられているたくさんの患者さんを救うことができる反面、医療業界における大きなビジネスチャンスであるともいえます。そのため、大手企業も小規模ベンチャーも、こぞって医療に関する分野のビジネス化を進めています。

どのようなテクノロジーでも、ビジネス化を進めるうえで特許は避けて通れない権利保護の方法ですが、今の日本において「医療行為」は特許をとることができません。この点についてご説明したいと思います。

1.医療行為と特許
現在のところ、医療行為(治療方法、診断方法、手術方法など)については、特許が取れないこととされています。その理由は以下の通りです。

①医療行為の研究開発は、純粋な医学の研究としてなされ、特許制度によるインセンティブ
付与のニーズが高くない
②医学研究はそもそも営利目的にそぐわない
③医療行為は医薬品、医療機器等に比較して緊急の対応が求められる場合が多く、特許権者
の承諾がなければ実施できない場合危険である

ただ、医療行為に対する特許は法律で禁じられている訳ではなく、特許法29条が定める「次に掲げる発明を除き」特許を受けることができるという除外規定を用いて特許審査基準を定め、医療行為に関する特許出願がなされても「拒絶査定」を下すことにしているだけなのです。

2.特許の取れない医療行為とは
その審査基準(特許・実用新案審査基準)には、特許の取れない医療行為として下記のようなものが定められています。

①手術方法…外科的手術方法、採血方法、美容・整形のための手術方法、手術のための予備的処置など
②治療方法…投薬・注射・物理療法等の手段を施す方法、人工臓器・義手等の取り付け方法、風邪・虫歯の予防方法、治療のための予備的処置方法、健康状態を維持するためにするマッサージ方法、指圧方法など
③診断方法…病気の発見等、医療目的で身体・器官の状態・構造など計測等する方法(X線測定法等)、診断のための予備的方法(心電図電極配置法)など

3.諸外国の制度
では、これらの点は外国においてはどのようになっているでしょうか。欧州と米国の例を挙げます。

欧州
従来は日本と同様、産業上の利用に当たらないことを理由に医療行為に関する特許申請は拒絶されていました。これに対し、TRIPS協定(知的財産に関する国際条約)との整合性を高めるため2000年にこの制度を改め、医業は産業としつつも医療行為は不特許事由に該当することを明記しました。

米国
不特許事由に関する規定は存在せず、医療行為にも特許を付与し、医師の行為にも特許権は原則として及ぶような規定とされています。しかし、近視手術の方法に関する特許権に基づいて1993年に提起された特許権侵害訴訟を契機として1996年に法改正が行われ、医師等による医療行為は「差止・損害賠償の請求の対象から除外される」ことを明文化しました。
一方、その除外の例外として、バイオテクノロジー特許の侵害となる方法の実施などについては、医師の医療行為としての実施であっても特許権者の差止・損害賠償の請求権が及ぶこととしました。

4.今後について
iPS細胞等再生医療や遺伝子治療、AIの活用など、最近は特に画期的な治療・診断方法や手術手法がいくつも開発されています。これらは難病に苦しめられているたくさんの患者さんを救うことができる反面、医療業界における大きなビジネスチャンスであるともいえます。そのため、大手企業も小規模ベンチャーも、こぞって医療に関する分野のビジネス化を進めています。

このような状況においては、冒頭で述べたように「医療行為は特許不可」という一律の対応であると不十分であり、産業の発展にも良い影響はありません。

そのため、産学両方からこの取扱いを見直すよう意見が出され、実際に特許庁でも医療行為に特許権を付与することや、特許権を付与した場合、実際の医療現場における医師の医療行為に権利行使すること等の是非について検討がなされています。

 

 

医療機関の不正防止・調査

私達が病気や怪我の治療の際お世話になる、病院や診療所等の医療機関。
これらは地域にとって非常に大事な存在です。
また医療機関は一種「聖域」として、一般的な営利企業とは異なる組織体制や文化を持っていることがほとんどです。
しかし、医療機関とて診療報酬というお金を扱い、資産を持つという意味において、不正のリスクにさらされている点で他の企業体と何ら変わる事はありません。このような医療機関において、不正対策をどのように行うべきかについて書いてみました。

1.医療機関の不正について
資金を扱うあらゆる組織において不正リスクは存在しますが、一般の営利企業と収益構造や法令、管理体制の異なる病院・診療所等の医療機関においては、一般的な営利企業とは不正リスクの質や頻度が異なると考えられています。しかしながら、不正リスクに関する理論、管理手法の本質的な所には共通点があります。

2.不正のトライアングル
不正リスクを考える際には、「不正のトライアングル」という概念が非常に役に立ちます。
「不正のトライアングル」とは、アメリカのドナルド・R・クレッシー教授が提唱した不正の仕組みに関する理論です。
具体的には、不正に手を染めるファクターは以下の3点であるとされています。triangle

 (1)不正を行うための「動機・プレッシャー」
 (2)不正を行うことができる「機会」
 (3)不正を行うことが本人にとって「正当化」

これらの条件が一つでも増加すれば、それだけ不正の発生する可能性が高くなっていることを意味します。

 

3.内部統制について
内部統制とは、(1)業務の効率性・有効性 (2)財務報告の信頼性 (3)法令の遵守 (4)資産の保全を目的として法人内で構築される管理体制を指し、「全社的な内部統制」と「業務プロセスに関する内部統制」に区分されます。
昨今、内部統制は上場企業が財務報告の適正性を保証するための開示対象として注目されていますが、本来内部統制は「組織がその目的に従って適切かつ効率的に活動し」「法令を順守し」「資産を保全する」と同時に「適切な情報開示を実施する」ことを可能とするための組織管理であるとされています。
この内部統制は適切な情報開示にはもちろん役立ちますが、不正リスクの低減や、事務部門、医療現場における事故、誤りの低減にも有効です。
但し、内部統制は経営者によって無効化することが可能であるため、経営者が主導する不正には役に立ちません。

4.医療機関における不正の例
①横領・不正請求窓口収入、保管現金、機器、消耗品、互助会資金等の管理を長年同一のベテラン職員に任せていることによる横領とその発覚遅れ自動販売機等売上金の横領医薬品の横流し社会保険診療報酬の不正請求

②キックバック医薬品、医療消耗品の購買担当者が、仕入業者からキックバック等の利益供与を受ける
③不正経理横領等を発覚させないため、帳簿や証拠書類を偽装する架空人件費

5.防止対策
不正のトライアングルの把握
職員における不正のトライアングルがどのような状態にあるかを把握し、不正リスクの発生を未然に抑えます。

病院向け内部統制の整備
病院には病院向きの内部統制があります。病院の特色を理解しつつ、不正が起こりにくい組織体制を整備、維持します。

内偵調査、尋問
残念ながら不正の発生が疑われる場合、疑いのある部署、者に対して内偵調査を行い、必要に応じて不正調査手法を用いて尋問します。

税務調査の利用
税務調査を不正調査に利用します(参考コラムはこちら)。この手法は、内部統制が無効化されやすい経営者の不正にも効果があります。

 

個人診療所レベルなら、院長が末端の職員にまで気を配ることが可能ですから、院長の管理レベル次第でこのようなリスクは防止することが比較的楽です。しかし、病院においては一般的に組織規模が大きく、院長や事務長がいくら気を配っていても末端まで注意を行き届かせることは不可能です。この為、不正リスクを低減する組織的な管理体制は必要です。

美人タレント女医事件

以前、バラエティ番組で「年収は5000万円で豪遊」という、驚くべきキャラクターで話題になった美人の女医さんがいました。
しかし結局、その女医さんは不正行為が明らかになり逮捕され、有罪判決を受けることになってしまったのです。
美人女医が逮捕、有罪判決!ということで世間の耳目を集めたこの事件、実は掘り下げると結構深い問題の根を持っていることが分かります。
以前講演でお話しした内容を抜粋、加筆修正したメルマガ記事をブログ化しています。

1)逮捕、有罪判決
この事件は、脇坂英理子氏(Ricoクリニック)という女性医師が逮捕されたことから衆目を集めることとなりました。
「美人女医」としてもてはやされていた脇坂医師は、TVのバラエティ番組に出演し、ホストクラブで一晩に何百万豪遊したとか、驚くような数の男性遍歴があるなど、常識的な人間からすると耳を疑うような話を番組で披露していました。
しかしその実態は、彼女が経営する美容クリニックで架空診療行為を繰り返し行い、健康保険や国保といった医療保険に対して約7000万円という高額の架空請求を行っていた不正実行者だったのです。
裁判の結果、結局は懲役3年、執行猶予4年の有罪判決となり、医師としても業務停止3年の行政処分を受けることとなりました。

2)手口
それでは、この不正請求はどんな手口で行われていたのでしょうか。
簡単にいうと、「実際に行っていないのに、架空の診療行為をでっち上げる」という手法でした。
例えば、一度通院しただけの患者にも、その後も通院を続けたように偽装して診療報酬を請求することで、架空の診療報酬が手に入るという訳です。
しかし、彼女はそれ以上に破壊的な不正請求にも手を染めていました。

3)「保険証集め」の手法
彼女が不正に請求した医療費には、かなりの割合で「一度も来院したことがない患者」が含まれていたようです。

この「患者」たち、実はアルバイト感覚で集められた芸人や暴力団組員ら数百人が、不正用に彼らの保険証を提供したことによりでっち上げられたものだったのです。
捜査関係者によると、「保険証提供者の報酬はせいぜい数千円。アルバイト感覚でやっていたとしか思えない」とのことでした。

4)組織的な「ビジネス」
実はこのような医療機関は彼女のクリニックだけではありませんでした。
暴力団の「企業舎弟」とされる首謀者たちは、コンサルタントの名目で元々経営の苦しい医療機関に目を付け、不正グループに勧誘していたのです。
また首謀者グループにはホストもおり、ホストクラブで受け皿となる女医や保険証の提供者となるホステスを探していたそうです。
同時にクラブ経営者たちにも報酬を提示して女医の紹介やニセ患者集めを働きかけていました。
結局、このスキームで得られた不正な利益のうち、一部は暴力団に上納されていたのです。

5)不正請求の主な内容
健康保険に対する医療費の不正請求は、この事件のようなものだけではありません。一般的なものだけでもこれだけあります。

  • 架空診療・投薬による請求…診療していないのに、診療したことにして診療報酬を不正に請求
  • 生活保護者(自己負担なし)に対する架空診療、過剰診療
  • 振替請求…外来診察なのに入院診察として扱い、診療報酬を不正に請求
  • 二重請求…患者が自費で診療したものを、保険診療したものと扱い二重請求
  • 付増請求…血液検査の際、採血は1回だったにもかかわらず、数回に分けて検査したように診療報酬を不正に請求
  • 健康診断の保険請求…健康診断には本来保険が適用されない
  • 看護師等の水増しによる不正請求…看護要員の長期にわたる不足にもかかわらず変更の届出を行わず、診療報酬を不正に請求していた。
  • 施設基準の虚偽申請…一定の施設や人的要件を要する請求につき、届出の際行われる検査時だけ満たし、検査が終われば元に戻していた。

6)処分や対応は
医療保険による保険診療については、保険診療報酬支払機関(国保、社保)から本人に対して確認通知があり、本人が知らない医療費請求についてはチェックをかけることができるようになっています。
またこのような不正が行われた場合には、厚生局・厚生労働省による指導、調査、行政処分や、医師免許・保険医療機関の取り消しなどの処分がなされることとなっており、刑事罰も合わせて一定の抑止効果を得ているとは思います。
しかし、医療サービスを受けた本人がその内容に無関心だったり、また患者による不正への積極的、消極的関与がある場合、施設基準など患者の目に触れにくい複雑なもので不正が行われる場合には発覚が非常に難しくなります。これに加え、今回の事件のように最初から組織的に組み立てられたものを積極的に摘発することは難しくなります。
健康保険は加入者の保険料や税金が使われる極めて公益性の高い制度です。
医療機関自体の倫理保持や、通報窓口や内部監査体制により防止・発見対策などを整備することが急務だと思います。

 

 

医療法人について ~ こんなにあるメリット・デメリット・注意点

はじめに
医療法人制度は、医療事業を法人組織化することにより、その運営に安定性、持続性をもたらすことを目的として作られました。昭和25年に始まった医療法人制度も、幾多の改正を経て「一人医療法人」制度の導入や「持分の定めのない医療法人」など、現在の制度に至っています。
この医療法人制度、本質である「非営利性」や、「医療法による規制」などはもちろん重視すべきなのですが、広い意味での経営安定につながる「税制上のメリット」や「医業継続上の有利性」など、小規模な診療所でも活用すべき論点がたくさんあります。
この記事は、特に「一人医師医療法人」に焦点を当て、メリットやデメリット、そして少々難しい注意点について簡単に説明します。
分量が多くなりますので簡単な説明に留めますが、ご興味がおありの方は是非事務所までお問い合わせ下さい。

1.一人医療法人のメリット
①個人財産と法人経営が分離されるため、適正な医業経営の実践が可能となります。
②法人税の実効税率が低いため、所得税よりも通常課税が小さくなります。また理事長先生の給与には「給与所得控除」が適用され、必ず節税になります。
③理事長家族への所得分散が容易になり、個々人の所得税・住民税の税率が下がることで節税ができます。
④理事長先生に支払う退職金を、法人の損金として計上することができます(個人は不可)。また退職金は退職所得控除を控除した金額の1/2が課税の対象になるうえ、分離課税のため、かなりの節税となります。
⑤個人はわずかな控除しかできない生命保険料などを、損金に計上できます。
⑥交際費や車両関係費に対する扱いが緩和されます。例えば、個人時代に使用する車両関係費はその10%~50%について家計分として自己否認(個人使用分を経費にしない)しなければなりませんが、法人名義の車両は原則として全額経費になります。
⑦欠損金の繰越が9年間認められます(個人だと青色申告で3年間、平成29年4月1日以降はさらに10年と伸びます)。
⑧持分がないため、相続対策がやりやすくなります。
⑨法人になると社会保険支払基金の源泉徴収がなくなり、資金繰りが楽になります。
⑩将来に後継者がいなくても、個人病医院のように医療機関を閉院しなくて済みます。
⑪別の医師に医療法人を低い税負担で譲渡することができます。

2.医療法人のデメリット
①交際費の一部が損金不算入となります。但し法人税法の改正により、事実上問題とはならなくなりました。
②社会保険加入の義務が発生し、雇用側の負担が増加します。
③設立に関しては、かなり複雑な手続(届出や登記)が必要となりますので、院長先生ご本人や事務長さんが行うことはほぼ不可能です。
④医業専門でない税理士先生が担当している場合、同様に手続が難しく、失敗してしまう場合があります。特に、登記申請や保健所、施設認定などの届出タイミングを誤ると、一時的に社会保険診療が出来ない(請求できない)といった、冗談では済まないトラブルも発生する場合があります。

3.法人成りによる一人医療法人の設立認可申請に係る必要書類(一般的なもの)
・医療法人設立認可申請書
・定款
・設立時の財産目録、各内訳明細書
・負債の残高証明及び債務引継承認書(負債を引き継ぐ場合)
・設立決議録
・診療施設の概要
・不動産賃貸契約書
・役員就任承諾書及び履歴書
・印鑑登録証明書
・管理者就任承諾書
・医師・歯科医師免許証のコピー
・社員及び役員の名簿
・基金の募集に関する書類
・登記事項証明書
・賃貸契約の引継承認書、賃貸契約書(不動産、リース等)
・原本証明

4.注意点
①医師国保、歯科医師国保
医師の場合、個人事業であれば医師国保、歯科医師国保に加入できます。(存在しない都道府県もありますので、必ず加入できるとは限りません。)
医師国保の場合、通常の国保と違い収入により保険料が上下することがありません。
個人事業から法人成りして医療法人になる場合でも、「個人時代に医師国保に加入している場合」は、医療法人になった後でも、引き続き医師国保に加入することが出来ますが、医療法人になった後に、初めて医師国保に加入しようとしても認められませんので注意が必要です。

②法人のお金は、院長の自由にはならない
理事長と医療法人は、人格が異なるため、理事長でも法人のお金を勝手に流用することはできません。
もし、個人の資金繰りのために医療法人から借りた場合には利息を付けて返済しなければならなくなります。
法人から見た場合、理事長が個人的に使ったお金は、貸付金若しくは役員賞与(経費にならない)と認識されます。
また、全く同じ効果を持つ費用でも、理論的・実務的に法人と個人で経費になるかどうかが異なる場合があります。この点についても、常に相談できる専門家を持つことが必要です。

③届出・登記などの手続きが発生する
設立手続き、決算後の届出・登記など、法人の場合は、面倒な届出等が発生します。
具体的には、定期的に社員総会を開催し、その議事録を作成し、決算事業年度終了後に決算の届出、及び、総資産の変更登記、並びに、変更登記にかかる官庁への届出が必要となります。
また、定款の記載事項に変更があった場合(例えば、診療所移転など)に、都道府県知事へ申請し、その許可を得なければならないなど、管理業務の負担が増加します。

④配当禁止のため持分評価額が増加する(出資額限度法人を除く)
医療法人は株式会社と違って、利益が出ても配当することが出来ません。
したがって、利益が医療法人に留保されるため、その分相続財産としての出資持分の評価額が大きくなりやすく、医療法人の出資金という換金性の低い相続財産が膨らみがちになります。
ただし、クリニックである医療法人の規模であれば、毎月の役員報酬や役員退職金などの支給額で、出資金が膨らまないようにコントロールすることは可能です。
平成19年3月以前に設立された医療法人は出資持分があり相続税が課税されますので、この対策(増加を押さえたり、持分のない医療法人に移行するなど)は必須です。

⑤解散時のみなし配当所得課税
利益の内部留保が多くなっていった場合、解散時における配当所得課税が生じます。
ただし、解散時点までに余剰金を意図的にゼロになるまで減少させていけば(役員報酬の増加、役員退職金の支給など)、みなし配当所得を少なくすることは可能です。

⑥各都道府県ごとに、実施すべき手続や提出書類、スケジュールがかなり異なっています

⑦個人時代の借入金は全て引き継げません。法律上は「設備に関する借入金に限る」とされているのですが、実際の運用は都道府県によって異なります。

⑧その他
これら以外にもたくさんあるのですが、分量が多くなりますのでリストしておくに留めます。検討される際は、専門的に知識や経験のあるコンサルタントへ必ずご相談ください。

・役所窓口とのコミュニケーションは綿密にとっておく
・移行資産負債の検討は厳密に
・銀行等への確認書は、出来るだけ早めに出しておく
・理事捺印なども早い目に対応しておく
・登記完了報告書や、銀行の手続、資金繰りその他 設立認可、登記後も気を抜けない

以上

医療法人について ~ こんなにあるメリット・デメリット・注意点

はじめに
医療法人制度は、医療事業を法人組織化することにより、その運営に安定性、持続性をもたらすことを目的として作られました。昭和25年に始まった医療法人制度も、幾多の改正を経て「一人医療法人」制度の導入や「持分の定めのない医療法人」など、現在の制度に至っています。
この医療法人制度、本質である「非営利性」や、「医療法による規制」などはもちろん重視すべきなのですが、広い意味での経営安定につながる「税制上のメリット」や「医業継続上の有利性」など、小規模な診療所でも活用すべき論点がたくさんあります。
この記事は、特に「一人医師医療法人」に焦点を当て、メリットやデメリット、そして少々難しい注意点について簡単に説明します。
分量が多くなりますので簡単な説明に留めますが、ご興味がおありの方は是非事務所までお問い合わせ下さい。

1.一人医療法人のメリット
①個人財産と法人経営が分離されるため、適正な医業経営の実践が可能となります。
②法人税の実効税率が低いため、所得税よりも通常課税が小さくなります。また理事長先生の給与には「給与所得控除」が適用され、必ず節税になります。
③理事長家族への所得分散が容易になり、個々人の所得税・住民税の税率が下がることで節税ができます。
④理事長先生に支払う退職金を、法人の損金として計上することができます(個人は不可)。また退職金は退職所得控除を控除した金額の1/2が課税の対象になるうえ、分離課税のため、かなりの節税となります。
⑤個人はわずかな控除しかできない生命保険料などを、損金に計上できます。
⑥交際費や車両関係費に対する扱いが緩和されます。例えば、個人時代に使用する車両関係費はその10%~50%について家計分として自己否認(個人使用分を経費にしない)しなければなりませんが、法人名義の車両は原則として全額経費になります。
⑦欠損金の繰越が9年間認められます(個人だと青色申告で3年間、平成29年4月1日以降はさらに10年と伸びます)。
⑧持分がないため、相続対策がやりやすくなります。
⑨法人になると社会保険支払基金の源泉徴収がなくなり、資金繰りが楽になります。
⑩将来に後継者がいなくても、個人病医院のように医療機関を閉院しなくて済みます。
⑪別の医師に医療法人を低い税負担で譲渡することができます。

2.医療法人のデメリット
①交際費の一部が損金不算入となります。但し法人税法の改正により、事実上問題とはならなくなりました。
②社会保険加入の義務が発生し、雇用側の負担が増加します。
③設立に関しては、かなり複雑な手続(届出や登記)が必要となりますので、院長先生ご本人や事務長さんが行うことはほぼ不可能です。
④医業専門でない税理士先生が担当している場合、同様に手続が難しく、失敗してしまう場合があります。特に、登記申請や保健所、施設認定などの届出タイミングを誤ると、一時的に社会保険診療が出来ない(請求できない)といった、冗談では済まないトラブルも発生する場合があります。

3.法人成りによる一人医療法人の設立認可申請に係る必要書類(一般的なもの)
・医療法人設立認可申請書
・定款
・設立時の財産目録、各内訳明細書
・負債の残高証明及び債務引継承認書(負債を引き継ぐ場合)
・設立決議録
・診療施設の概要
・不動産賃貸契約書
・役員就任承諾書及び履歴書
・印鑑登録証明書
・管理者就任承諾書
・医師・歯科医師免許証のコピー
・社員及び役員の名簿
・基金の募集に関する書類
・登記事項証明書
・賃貸契約の引継承認書、賃貸契約書(不動産、リース等)
・原本証明

4.注意点
①医師国保、歯科医師国保
医師の場合、個人事業であれば医師国保、歯科医師国保に加入できます。(存在しない都道府県もありますので、必ず加入できるとは限りません。)
医師国保の場合、通常の国保と違い収入により保険料が上下することがありません。
個人事業から法人成りして医療法人になる場合でも、「個人時代に医師国保に加入している場合」は、医療法人になった後でも、引き続き医師国保に加入することが出来ますが、医療法人になった後に、初めて医師国保に加入しようとしても認められませんので注意が必要です。

②法人のお金は、院長の自由にはならない
理事長と医療法人は、人格が異なるため、理事長でも法人のお金を勝手に流用することはできません。
もし、個人の資金繰りのために医療法人から借りた場合には利息を付けて返済しなければならなくなります。
法人から見た場合、理事長が個人的に使ったお金は、貸付金若しくは役員賞与(経費にならない)と認識されます。
また、全く同じ効果を持つ費用でも、理論的・実務的に法人と個人で経費になるかどうかが異なる場合があります。この点についても、常に相談できる専門家を持つことが必要です。

③届出・登記などの手続きが発生する
設立手続き、決算後の届出・登記など、法人の場合は、面倒な届出等が発生します。
具体的には、定期的に社員総会を開催し、その議事録を作成し、決算事業年度終了後に決算の届出、及び、総資産の変更登記、並びに、変更登記にかかる官庁への届出が必要となります。
また、定款の記載事項に変更があった場合(例えば、診療所移転など)に、都道府県知事へ申請し、その許可を得なければならないなど、管理業務の負担が増加します。

④配当禁止のため持分評価額が増加する(出資額限度法人を除く)
医療法人は株式会社と違って、利益が出ても配当することが出来ません。
したがって、利益が医療法人に留保されるため、その分相続財産としての出資持分の評価額が大きくなりやすく、医療法人の出資金という換金性の低い相続財産が膨らみがちになります。
ただし、クリニックである医療法人の規模であれば、毎月の役員報酬や役員退職金などの支給額で、出資金が膨らまないようにコントロールすることは可能です。
平成19年3月以前に設立された医療法人は出資持分があり相続税が課税されますので、この対策(増加を押さえたり、持分のない医療法人に移行するなど)は必須です。

⑤解散時のみなし配当所得課税
利益の内部留保が多くなっていった場合、解散時における配当所得課税が生じます。
ただし、解散時点までに余剰金を意図的にゼロになるまで減少させていけば(役員報酬の増加、役員退職金の支給など)、みなし配当所得を少なくすることは可能です。

⑥各都道府県ごとに、実施すべき手続や提出書類、スケジュールがかなり異なっています

⑦個人時代の借入金は全て引き継げません。法律上は「設備に関する借入金に限る」とされているのですが、実際の運用は都道府県によって異なります。

⑧その他
これら以外にもたくさんあるのですが、分量が多くなりますのでリストしておくに留めます。検討される際は、専門的に知識や経験のあるコンサルタントへ必ずご相談ください。

・役所窓口とのコミュニケーションは綿密にとっておく
・移行資産負債の検討は厳密に
・銀行等への確認書は、出来るだけ早めに出しておく
・理事捺印なども早い目に対応しておく
・登記完了報告書や、銀行の手続、資金繰りその他 設立認可、登記後も気を抜けない

以上

病院の不正防止・調査

1.病院の不正について
資金を扱うあらゆる組織において不正リスクは存在しますが、一般の営利企業と収益構造や法令、管理体制の異なる病院においては、一般的な営利企業とは不正リスクの質や頻度が異なると考えられています。しかしながら、不正リスクに関する理論、管理手法の本質的な所には共通点があります。

2.不正のトライアングル
不正リスクを考える際には、「不正のトライアングル」という概念が非常に役に立ちます。
「不正のトライアングル」とは、アメリカのドナルド・R・クレッシー教授が提唱した不正の仕組みに関する理論です。具体的には、不正に手を染めるファクターは以下の3点であるとされています。
(1)不正を行うための「動機・プレッシャー」
(2)不正を行うことができる「機会」
(3)不正を行うことが本人にとって「正当化」
これらの条件が一つでも増加すれば、それだけ不正の発生する可能性が高くなっていることを意味します。

3.内部統制について
内部統制とは、(1)業務の効率性・有効性 (2)財務報告の信頼性 (3)法令の遵守 (4)資産の保全を目的として法人内で構築される管理体制を指し、「全社的な内部統制」と「業務プロセスに関する内部統制」に区分されます。
昨今、内部統制は上場企業が財務報告の適正性を保証するための開示対象として注目されていますが、本来内部統制は「組織がその目的に従って適切かつ効率的に活動し」「法令を順守し」「資産を保全する」と同時に「適切な情報開示を実施する」ことを可能とするための組織管理であるとされています。
この内部統制は適切な情報開示にはもちろん役立ちますが、不正リスクの低減や、事務部門、医療現場における事故、誤りの低減にも有効です。

4.病院における不正の例

①横領

  • 窓口収入、保管現金、機器、消耗品、互助会資金等の管理を長年同一のベテラン職員に任せていることによる横領とその発覚遅れ
  • 自動販売機等売上金の横領
  • 医薬品の横流し

②キックバック

  • 医薬品、医療消耗品の購買担当者が、仕入業者からキックバック等の利益供与を受ける

③不正経理

  • 横領等を発覚させないため、帳簿や証拠書類を偽装する
  • 架空人件費

5.防止対策

  • 不正のトライアングルの把握
    職員における不正のトライアングルがどのような状態にあるかを把握し、不正リスクの発生を未然に抑えます。
  • 病院向け内部統制の整備
    病院には病院向きの内部統制があります。病院の特色を理解しつつ、不正が起こりにくい組織体制を整備、維持します。
  • 内偵調査、尋問
    残念ながら不正の発生が疑われる場合、疑いのある部署、者に対して内偵調査を行い、必要に応じて不正調査手法を用いて尋問します。
  • 税務調査の利用
    税務調査を不正調査に利用します(参考コラムはこちら

6.お問い合わせ、ご相談、料金
個人診療所レベルなら、院長が末端の職員にまで気を配ることが可能ですから、院長の管理レベル次第でこのようなリスクは防止することが比較的楽です。しかし、病院においては一般的に組織規模が大きく、院長や事務長がいくら気を配っていても末端まで注意を行き届かせることは不可能です。この為、不正リスクを低減する組織的な管理体制は必要です。

私どもは、企業の公認会計士監査や内部統制構築、不正防止・調査の実績、また認定登録医業経営コンサルタントの実務経験を生かし、これらの不正リスクを低減する体制構築のお手伝い、また不正調査を行うことが可能です。
病院における不正防止にご興味のある方、また、残念ながら不正が疑われる事実や情報が現時点で顕在化している医療機関におかれましては、是非お気軽にご相談下さい(ご相談は無料)。

以上