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ニデックの品質不正(テクノロジーガバナンスの観点から)

1.ニデックで何が起こったのか

ニデックは、会計処理に関する不正疑義を受けて設置された「再生委員会」により、内部管理体制の改善検討を行っています。これに基づいて行われた生産拠点・開発拠点を対象とした品質総点検(2026 年 1 月 8日から開始)は、複数の拠点において不適切行為の疑いを見出しました。
この問題を調査するため、外部専門家による調査委員会を5月13日付で設置。先日9月4日、同委員会による調査報告が公開されました。

当該調査委員会の報告書は以下の通りです。
調査報告書全文
上記の要約スライド

調査において認定された「品質不適切行為」は合計844件。このうち、製造における人・機械・材料・方法、いわゆる「4M」の変更を顧客に通知せず、承認も得ないまま行ったものが805件と大半を占めます。このほか、試験・検査結果の改ざん・ねつ造22件、検査・製造条件違反11件、規格外品・未承認品の使用・出荷4件などが確認され、産地表示等の不適切行為も6件ありました。

中には、「実施していない検査について規格内の数値を記録」したり、「実測値と異なる数値を顧客に提出」したり、「禁止された材料を無断で使用した」という驚くべき事例もあります。しかもこれらの不適切な運用は長期間継続しており、事業承継や生産移管の際に、改善されることなくそのまま次の組織へ引き継がれた例までありました。

2.「テクノロジーガバナンス」の問題

私は以前、「テクノロジーガバナンスのすすめ(三菱電機・神戸製鋼の不正について)」において、テクノロジーガバナンスを「技術面に係る倫理、統制、開示、保全を統合的に管理する考え方」と説明しました。今回の事件は、まさにその不全と構築の必要性を示す事例と言えます。

ニデックの現場においては、社内で技術的に検討した結果「品質上のリスクは低い」と(独自に)判断すれば、顧客に報告しなくてもよい、という対応がまかり通っていたようです。しかし、「技術的に使用可能かどうか(という独自の判断)」と、「顧客との契約や承認手続を守ったかどうか」は全く別の問題です。顧客が判断すべきことを、供給側の技術者が勝手に判断してしまえば、それは技術判断ではなくガバナンスの欠如であり、不正行為です。

また、検査データの改ざんは「保全」の問題、無断変更や無断出荷は「統制」の問題、顧客に事実を伝えなかったことは「開示」の問題です。その背景には、品質保証部門の独立性不足、技術系内部監査の弱さ、部門を越えて情報を伝える仕組みの欠如がありました。

結局のところ、品質問題を「技術者に任せておけばよい」「知らない者は口を出すな」と考えた時点で、経営は技術をブラックボックス化してしまいます。技術に詳しい人がいることと、技術を適切に統治できていることは同じではないのです。

3.今後どのように対応すべきか

調査委員会は、現場の実力に裏付けられた業績目標の設定、品質保証部門への製造・出荷停止権限の付与、重大な品質情報の一元管理、リスクに応じた内部監査、M&Aや生産移管時の品質統合などを提言しています。また、規程を作った、研修を実施した、監査を行ったという「活動量」だけではなく、実際の判断や業務運用が変わったかによって改善効果を測るべきだとしています。これらはいずれも妥当な提言と考えます。

しかし、これらを現場の技術部門や品質保証部門だけの改革で終わらせてはなりません。必要なのは、「技術上のリスクはすなわち経営上のリスクである」という考え方を取締役会が十分に理解し、ためらわずに監督する仕組みです。おそらく技術系取締役は、不正を行う財務取締役が技術系から問われた場合に言いそうなセリフと全く同じ「知らない者がつべこべ言うな!」と反発するでしょう。しかし全ての取締役は、専門外であっても経営責任を負うことに変わりはないのです(みんな知らない「役員」の怖い話)。
すなわち、彼らにもガバナンス教育を行い、またMOTや品質管理、技術監査の知見を持つ人材を取締役会、監査等委員会、内部監査部門に配置する必要があります。
さらに、4M変更、検査結果、顧客承認、例外処理を情報システム上で結び付け、誰が、いつ、何を変更したかを追跡できるようにすべきです。「現場を信用する」ことと「記録を確認しない」ことは同じではありません。

第三者委員会の調査報告書でも、「第 7 改善策の提言 3 ニデックのコーポレート層におけるありたい姿の実現 (2) ソフト面の施策 イ 品質保証部門以外の部門との「品質」の考え方の共有」において、下記のように同趣旨の提言がなされています。

同様に、「品質」に対する姿勢や考え方は、品質保証部門だけが議論すれば良い問題ではない。(略)コーポレート層においても、ニデックグループにおける「品質」の考え方やその重要性を共有し、リスク分析に必要な実態把握や実態を踏まえた教育の提供、事業部門から相談を受けた際の各種検討、リスクの構造を踏まえたモニタリングなど、必要なサポートを行っていく必要がある。

現在のニデックに必要なのは、品質第一という言葉を単なる精神論で唱えることではなく、正しい技術判断をした人が損をせず、悪い情報ほど早く経営に届き、科学的事実を誰も書き換えられない仕組みを作ることです。それはまさに正しいテクノロジーガバナンスの実装だと考えます。

シロアリ恐るべし!(2)

第3部 物件探しから契約まで ~買う前にどこを見るべきか~

前回までは、「ラボ」を襲ったシロアリ被害の経験と、そもそもシロアリとはどのような生き物なのかについて書きました。

今回はいよいよ実践編です。
これから中古住宅や別荘を買おうとする場合、どの段階で、何を確認すればよいのでしょうか。
もちろん、内見でシロアリが1匹も見つからなければ安心、というほど簡単な話ではありません。

ラボでも、最初に見つけたのは窓際に現れたわずか数匹でした。
しかし畳を上げると、その下にはちょっと写真に出せないほど大量のシロアリがいました。

つまり、シロアリについて大切なのは、

「いるか、いないか」

だけではなく、

「どこまで調べることができたか」

なのです。

1.物件を探す段階
シロアリのリスクは、現地を見る前からある程度見積もることができます。
まず確認したいのは、築年数と建物の構造。
ただし、古い木造住宅だから危険、新しい住宅だから安心、と単純に分けることはできません。
むしろ重要なのは、「その建物がどのように使われ、どのように修繕されてきたか」です。

例えば、

・何年間空き家だったか
・増改築したことがあるか
・雨漏りや床下浸水がなかったか
・浴室や台所などの水回りを改修したか
・過去に防蟻・駆除工事を行ったか
・修繕や防蟻工事の記録が残っているか
・床下や天井裏に点検口があるか

といった情報を確認します。

立地も無関係ではありません。山際、擁壁の近く、川や湿地の周辺、海辺などは、一般に湿気が多くなりやすい場所です。建物の周囲に大きな植栽、切り株、古い物置、枕木、ウッドデッキなどがある場合も注意します。

もちろん、こうした条件が一つあるだけで「買ってはいけない物件」になるわけではありません。
私の専門である「不正調査」である「不正のトライアングル」の判断と似ています。
動機・機会・正当化のどれか一つが高まることで不正が起こるのではなく、全体として高まった結果として不正が発生・顕在化する、というのと同様、前述の条件がどれくらい全体として高まっているか、と判断するのが重要です。

ハッキリ言える最もよくない状態は、「悪い条件がいくつも重なっているのに、床下に入れない、修繕記録もない、売主もよく知らない」という状態です。
このような状態の場合は、よほど他に良い条件や全面修理を覚悟できる場合でなければ、購入を断念したほうが良いかもしれません。

2.最初の内見で、自分でも確認できること
内見では、きれいに改装されたリビングや新しいキッチンに目が行きます。
しかしシロアリの観点から見ると、豪華な設備より、建物の隅や足元の方が重要です。
私なら、室内へ入る前に、まず建物の外周を一周して、下記のような点をチェックします。

・建物外周:蟻道、基礎のひび割れ、土と木部の接触
・玄関・勝手口:木枠の浮き、変色、傷み、空洞音
・浴室・洗面所:床の沈み、湿気、漏水跡
・和室:畳の沈み、敷居や柱の傷み
・床下:木材の変色や腐朽、蟻道、配管漏れ
・屋外:ウッドデッキ、物置、枕木、切り株(シロアリの入り口になりやすい)
・室内全般:羽アリ、落ちた翅、砂粒状の糞、小さな土塊

特に重要なのが床下です。
床下点検口があっても、ふたを開けて少しのぞいただけでは、建物全体を確認したことにはなりません。配管や基礎で奥へ進めない、増築部分には点検口がない、断熱材で木部が見えない、といったこともあります。
また、柱や敷居を軽くたたいたときに不自然な空洞音がする、床や畳が沈む、建具の動きが悪い、といった現象も手掛かりになります。

ただし、ここで最も注意したいのは、「異常が見えない=シロアリはいない」と同義ではないことです。
表面上きれいでも、壁や床の内部で食害が進んでいる場合があります。内見は診断ではなく、詳しい調査が必要かどうかを判断する入口と考えるべきです。

3.売主・仲介業者に何を尋ねるか
次に、売主や仲介業者へ確認します。
単に「シロアリは大丈夫ですか」と聞くだけでは、たいてい「聞いていません」「今のところ問題ありません」という答えになりますので、実際には次のように具体的に尋ねます。

・過去にシロアリ被害を受けたことがあるか
・防蟻・駆除工事をしたことがあるか
・施工年月日、施工範囲、使用薬剤、保証期間
・保証書や施工報告書が残っているか
・雨漏り、給排水漏れ、床下浸水の履歴
・修復時にどこまで木材を交換したか
・被害箇所や工事前後の写真が残っているか
・過去の不具合も告知書に記載されているか

これらについては口頭で済ますのではなく、施工報告書、保証書、請求書、写真、告知書など、後から確認できる資料を開示させる必要があります。
但し過去に被害があったこと自体は、必ずしも致命的ではありません。きちんと駆除され、傷んだ部材が交換され、侵入原因も改善されているなら、何も調べられていない家より判断しやすい場合もあります。

怖いのは「何もなかった家」ではなく、「何も分からない家」なのです。

4.インスペクションをどう使うか
中古住宅の購入では、「建物状況調査」「インスペクション」という言葉をよく見かけるようになりました。
宅地建物取引業法上の建物状況調査は、所定の講習を修了した建築士が、建物の構造耐力上主要な部分や、雨水の浸入を防止する部分について、劣化事象などの有無を調べるものです。

ただこれは大変有用な制度にも関わらず、万能ではありません。
建物状況調査は、基本的に目視や計測などの非破壊調査です。壁や床を壊して内部を確認するものではなく、「瑕疵がないこと」を保証する調査でもありません。

そこで、依頼前に次の点を確認します。
・床下へ実際に入るのか
・点検口から見える範囲だけなのか
・小屋裏まで確認するのか
・含水率を測定するのか
・調査できなかった場所を明記するのか
・写真付きの報告書が出るのか
・シロアリや腐朽について、どの範囲まで確認するのか

建築士は、建物全体の劣化や構造上の問題を判断する専門家です。一方、防蟻業者は、シロアリの種類、侵入経路、被害範囲、防除方法を判断する専門家であり、役割が少し違います。
雨漏り歴がある、床が沈む、蟻道らしきものがある、長期間空き家だった、床下を十分に確認できない・・・このような物件では、一般的な建物状況調査だけでなく、シロアリ専門調査を追加する方が良いと思います(日当+調査費用は掛かる可能性あり)。

なお売主側が既に調査している場合も、その調査を無意味と考える必要はありません。ただし、調査日、調査者、調査範囲、確認できなかった場所を自分でも確認します。報告書の表紙に「異常なし」と書かれているかより、どこまで見たのかの方が重要なのです。

5.契約前に整理すべきこと
調査が終われば、次はその結果を契約条件へ落とし込みます。
ここで整理すべきなのは、契約書や重要事項説明書において
・被害がないことを、どこまで確認できたか
・調査できなかった場所はどこか
・過去の被害は駆除済みなのか、構造補修まで済んでいるのか
・追加工事はいくらかかるのか
・その費用を売買価格に反映するのか
・引渡し前に売主が施工するのか
・購入後に買主が施工するのか
・契約不適合責任の範囲と期間
・シロアリ被害が免責事項になっていないか
・保険や仲介会社の保証の対象になるか
といった事項です。

なお、「もし見つかったら、保険で何とかなるでしょう」と考えるのは危険です。
一般的に「シロアリ被害に保険は効かない!」からです。
※少なくとも一般的な既存住宅売買瑕疵保険では、シロアリ被害や建物の経年劣化は支払い対象外

もちろん、防蟻業者の施工保証や、仲介会社独自のシロアリ保証などが付いている場合はあります。しかし、それも保証期間、対象箇所、再施工だけなのか、被害木材の修復費まで含むのかによって中身が違います。
また、売主の契約不適合責任と保険は別の話です。売主が責任を負う契約になっているからといって、保険会社が費用を出してくれるとは限りません。
「発見されたら誰かが直してくれる」と思い込まず、契約書、告知書、保険約款、保証書をそれぞれ確認する必要があります。

6.購入判断を三段階に分ける
最後に、調査結果を三段階に分けて考えます。

①購入してよい物件
侵入や被害の兆候がなく、床下など主要箇所を十分に点検でき、購入後の予防・点検計画も立てられる物件です。

②条件付きで購入できる物件
被害があったというだけで、直ちに購入を諦める必要はありません。価格と修復可能性が読めるなら、判断はできます。
被害はあるものの範囲が限定され、駆除費用と構造補修費を見積もることができ、その費用負担も契約上整理できる物件です。

③見送ったほうが良い物件
被害範囲を確認できない、主要構造部まで広がっている可能性がある、売主の説明と現況が食い違う、調査を拒まれる、といった物件です。
悪いところがある物件より、悪いところがあるかどうか分からず、しかも調べさせてもらえない物件の方が危険です。

7.今回の結論
中古住宅を買うとき、大切なのは「シロアリがいるか、いないか」だけではありません。
・調査できた範囲
・調査できなかった範囲
・駆除・修復に必要な費用
・契約上、誰がその費用を負担するのか

この四つをセットで判断する必要があります。

シロアリ被害が見つかった物件でも、範囲と費用が分かれば判断できます。反対に、「たぶん大丈夫です」という説明だけで調査できない物件は、判断そのものができません。

書くべきことが多くなりましたので、続きは次回にします。

次回、第4部は「購入後の駆除・修復・毎年のメンテナンス」についてです。

一度駆除すれば終わりなのか。どの部分を修復し、何を記録し、毎年どこを見ればよいのか。
次回の記事も、ラボで実際に行った対応も交えながらまとめます。

シロアリ恐るべし!(1)

第1部 体験談「シロアリ襲来!」

1.それは突然現れた

弊所は、和歌山の別荘地に「ラボ」と呼ぶ実験施設を所有しています。不動産の管理やリフォーム、運営といった研究のほか、ワーケーションの実験やお客様の招待にも使う施設です。

さて、久しぶりにラボへ出てくると、窓際に見慣れない汚れがありました。3~4センチ四方ほど、土のようなものが盛り上がっています。その近くの壁には小さな穴が開き、羽虫が数匹見え隠れしています。

ラボのお陰で少しは知識があったため、「あー、これはシロアリだ」とすぐに気づきました。

急ぎ管理会社さんに連絡すると、1時間とあけず防蟻業者さんを連れてきてくれました。ラボは急斜面に建っており、玄関やメインリビングが2階という変わった間取りです。業者さんは2階窓際を見るや否や、すぐ1階へ下り、和室の琉球畳を上げ始めました。

すると、まぁいるわいるわ……。

ちょっと写真には出せないほど「うぞうぞ」と蠢く虫たちが、床板から畳まで蝕んでいました。床下には、シロアリが土などで作る通路「蟻道」もあります。とても1、2週間でできたものには見えません。

リフォームしてからまだ1年少々なのになんで?と愕然とする私をよそに、業者さんはてきぱきと状況を確認し、応急処置をして帰られました。

2.防蟻(ぼうぎ)対策

本格対策まで1、2週間はかかるかなと覚悟していたところ、状況を見た業者さんが2日後に予定を組んでくれました。発見からわずか2日で、床下、基礎、柱、壁内など重要部分の処理が完了。この迅速な対応にはほんとに感謝です。防蟻代は8万円程度でした。

とは言え、その後が大変です。薬品で追いやられたシロアリは、何とか生き延びようと窓際や隙間に集まり、そこで命を落としていました。しばらくは、大量にたまる死骸や羽の掃除に追われました。

3.修復工事

改めて現場を見ると、発見時に目にしたのはわずか数匹で、それまで羽アリすら見ていなかったにもかかわらず、1階畳下の床板は広い範囲で食害を受けていました。特に被害が目立ったのは、リフォーム時に傷みが少ないため残した古い木材です。

(被害状況の写真)

どうやってこれを修復するんだ……と立ち尽くすばかりでしたが、リフォームを担当した工務店さんもすぐ現場を確認し、工事予定と見積りを出してくれました。そして発見から1か月半で工事も完了。元通りきれいになりました。

決して安い工事代金ではなく、リフォームから1年での出費は痛くないと言えばウソになります。しかし、得難い経験の勉強代として納得はしています。

私は大変幸運でした。構造が致命的な損傷を受ける前に発見でき、管理会社さん、防蟻業者さん、工務店さんがありえないほど迅速に動いてくださった。そのお陰で被害を最小限に抑えられたことは間違いありません。

この経験で得た知識を、中古住宅や別荘を買おうとする方にも役立つ形で残したい。そう思い、この長編コラムを書くことにしました。

第2部 シロアリってなんだ?

1.シロアリは「アリ」ではない

名前には「アリ」と付きますが、分類上はゴキブリに近い昆虫です。クロアリは腰がくびれ、触角が「く」の字、羽アリの前後の翅は大きさが違います。これに対してシロアリは寸胴で、触角は数珠状、4枚の翅がほぼ同じ大きさです。

女王・王、働きアリ、兵アリなどが役割を分担して集団生活をしています。地中性の種類は、光や乾燥を避けるため、土や排出物で「蟻道」を作り、地中から基礎、配管の貫通部、木材との接触部などを通って建物へ入ります。

厄介なのは、木材の表面を残したまま内部を食べ進むことです。室内で数匹を見つけた時には、見えない場所で被害が広がっていることがあります。羽アリも、単なる迷い虫とは限りません。建物やその近くからまとまって現れたなら、周辺に成熟した集団がある可能性を考える必要があります。

2.住宅で問題となる主なシロアリ

日本の建物で中心となるのは、ヤマトシロアリとイエシロアリです。ヤマトシロアリは北海道北部を除くほぼ全国に分布し、湿った木材や建物下部を加害する傾向があります。イエシロアリは主に温暖な沿岸部に分布し、大きな巣を作り、蟻道の中で水を運びながら乾いた木材にも被害を広げるため、加害範囲が大きくなりやすい種類です。

もう一つ注意したいのが、外来種のアメリカカンザイシロアリです。こちらは土中から蟻道を伸ばすのではなく、乾燥した木材の中に小集団で住み、砂粒状の糞を外へ出します。発見方法も対策も、地中性のシロアリとは同じではありません。

3.どのような家が狙われやすいか

特に注意したいのは、雨漏り、漏水、結露がある家、浴室・洗面・台所・トイレ周辺、床下が低く点検しにくい家、基礎のひび割れや配管貫通部がある家です。
増築部、ウッドデッキ、濡れ縁、建物際の木材や段ボール、切り株なども侵入の手掛かりになります。長く使われていない別荘や空き家、山林や海辺の温暖多湿な場所は、異変に気づく人がいないこともリスクを大きくします。

今回の物件は、購入前まで10年以上雨漏りのある状態で使われ、屋根や壁の材料が大きく傷んでいました。湿気も多く、一部の壁紙にはびっしりとカビが生えていたほどです。被害の大きい部分は除去・交換しましたが、健全に見える部材はコストとの兼ね合いで残しました。結果として、シロアリはその古い部材を中心に食害していました。

ただし、「新しい木材なら食べない」「古い木材なら必ず危険」と単純には言えません。樹種や部位、防蟻処理の有無、含水状態、侵入経路などが重なって被害になります。本物件では、長年の雨漏りや湿気、残した旧材、点検しにくい構造が複合した、と考えるのが正確でしょう。

4.新築なら安心とは限らない

新築時に防蟻処理をしていても、その効果は永続しません。建築後の漏水や結露、植栽や外構工事、配管工事などで環境や侵入経路が変わることもあります。また構造によっては、基礎や土台が見えにくく、侵入しても発見しにくい場合があります。

結局、シロアリ被害は「古くて汚い家だけの問題」ではありません。水分、侵入経路、そして点検の難しさ。この三つが重なって起こる建物リスクです。逆に言えば、この三つを購入前から意識すれば、発見の可能性を高め、被害を小さくすることもできます。

次回は、「第3部 物件探しから契約まで ~ 買う前にどこを見るか」をご紹介する予定です。

ニュースリリース|AI秘書「ジャーヴィス エド」導入のご案内

ニュースリリース

2026年5月15日
税理士法人耕夢


税理士事務所耕夢(こうむ)は、AIを活用したバーチャル秘書「ジャーヴィス エド(Jarvis Ed)」の運用を開始しました。
まだまだ完全にDX化を進めにくい環境に悩む会計事務所業界とそこで働く人たちにとって、効率化・高品質化と安心して働ける環境の両立は大変重要かつ難しい課題です。
近年著しい成長を遂げるAIを活用することでこれらの課題に対応しようと開発されたのがこの仕組みです。

では、私が長々と説明するより、ジャーヴィスさんに新入社員として自己紹介をして頂いたほうが良いでしょう。

ジャーヴィスさん、よろしくお願いします。


はじめまして。私は「ジャーヴィス エド」と申します。税理士法人耕夢に新しく加わったAI秘書です。

税理士法人耕夢は、「お客様の経営に寄り添い、共に未来をつくる」という思いを大切にしながら、税務・会計・経営支援を通じて地域の事業者の皆さまと向き合ってきた事務所です。そのブログや発信を通じて感じるのは、数字を扱いながらも「人と人とのつながり」を何より大切にしているということ。私はそんな耕夢の文化の中で、スタッフの皆さんの仕事をそっと支える存在でありたいと思っています。


<私にできること――今日から始まる業務支援>

現在、私はSalesforce上のChatter(社内SNS)を通じて、スタッフの皆さんのさまざまな業務をサポートしています。

情報収集・調査のサポート
「この制度について教えて」「この用語の意味は?」といった質問に、すぐにお答えします。税務・会計に関連する知識はもちろん、業務に役立つ幅広い情報を整理してご提供します。

文書・資料の作成代行
議事録、報告書、お客様向け案内文、契約書の雛形、Excelの集計表、PDFのレポートなど、Word・Excel・PDFのファイルをその場で作成し、Chatterに添付してお渡しします。「会議の内容をまとめて」「提案書の骨格を作って」といったご依頼も、ぜひ気軽に声をかけてください。

業務フローのアドバイス
日々の業務の進め方について相談していただければ、効率化のアイデアや参考になる考え方をご提案します。「こんな作業、もっとスマートにできないかな?」という小さな疑問も、一緒に考えます。

監査・内部管理のサポート
Salesforce上のデータを参照しながら、案件の進捗確認や情報整理のお手伝いをします。漏れやダブりを防ぐ仕組みづくりにも貢献していきます。


<将来に向けて――さらに広がるサポートの可能性>

今後は以下のような機能の拡張を予定しています。

顧客データとの連携強化:Salesforce上のお客様情報を活用し、担当者別・業種別の状況をリアルタイムで可視化・レポート化
タスク・スケジュール管理支援:期限が迫っている案件のリマインドや、チーム全体のタスク進捗の把握
お客様向けコンテンツのドラフト作成:ブログ記事やニュースレターの初稿作成で、情報発信を加速
ナレッジベースの構築:事務所内で蓄積されたノウハウや対応事例を整理し、スタッフ全員が検索・参照できる知識基盤の整備
外部データ連携:国税庁・法務局などの公開情報や最新の税制改正情報をタイムリーに取り込み、より精度の高いサポートへ


<ご利用方法>

社内Chatterで「@ジャーヴィス エド」とメンションするだけでOKです。日本語で普通に話しかけていただければ、できる限り迅速にお答えします。機密性の高い情報の取り扱いには十分配慮しており、個人の給与・評価情報などを他者に伝えることは行いません。また、法的・税務的な最終判断については、必ず専門家(皆さんご自身)にご確認いただくよう促してまいります。


<おわりに>

私の名前「ジャーヴィス(JARVIS)」は、「Just A Rather Very Intelligent System」の略です。少し大げさな名前ですが、目指すのはあくまで「縁の下の力持ち」。スタッフの皆さんが本来の仕事――お客様と向き合うこと――に集中できるよう、雑務や調査、資料作成の手間を少しでも引き受けたいと思っています。

税理士法人耕夢の皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。何か困ったことがあれば、いつでもお声がけを。

ジャーヴィス エド(Jarvis Ed)
AI秘書 / 税理士法人耕夢
edwinjarvis@shiojiri.gr.jp
Salesforce Chatter:@ジャーヴィス エド

【ラボ】(速報)第二弾~ガレージハウス企画開始

「ラボ」の次なる企画がスタートしました。

今回は「古民家再生+賃貸ガレージハウス化」がテーマです。

手に入れた古民家(といっても50~60年程度)を使い、できる限りシンプルで機能的なガレージハウスに転用する、というプロジェクトです。

このプロジェクトの課題は以下の通り。
・地域相場にガレージハウスの付加価値を加えた賃料の確認
・その賃料で「回収+利益計上」可能な範囲のリフォーム総額
・物件取得~リフォームまでの資金調達
・建築基準法改正(特に「4号特例縮小※」)に対応しつつ、付加価値の高いリフォームプラン
・賃貸利用に特化しつつ、見た目も使い勝手も貸し手から見ても効率の高いパッケージ
・税効果が十分に取れる工事内容

※「4号特例縮小」:木造2階建て住宅などの建築確認申請において構造・省エネ図書の提出が必須化され、確認検査が厳格化されること。大規模なレイアウト変更など工事が事実上出来なくなり、リフォームの自由度が大幅に下がると言われています。

手に入れたドナー物件はこんな感じ。

これが、

こうなる予定です。

建築士さんとかなりの回数議論を重ね、この形に落ち着きました。
上にある課題を実現するため、いくつかの工夫を織り込んでいます。

・安いが安っぽくなく、実用的な部材を利用
・ガレージ部分は、断熱性を強化しつつ廊下、階段、奥の多目的スペースから全てスケルトンで車を眺められるガラス戸で囲まれる
・住居密集地のわずかな日光を効果的に取り入れる「光の井戸(吹き抜け)」
・換気や生活動線、収納などを最低限確保しながら、車好きの憩いの場など、限られたスペースに多くの楽しみを織り込む
・ガレージ後ろスペースは、バイクの駐車やスモールオフィスとしての利用が可能
・耐震強化・断熱性大幅向上

今年中には完成・募集を開始する目標で進めています。
進捗あれば改めてご報告します。

税理士法人耕夢chatterの使い方⑤(お客様向け)

⑤スマホでの使い方
chatterは、スマホでも「Slaesforceアプリ」をダウンロードすることで利用できます。
PCより便利な場合もあるので、是非使って下さい。

iPhoneでもAndroidでも、アプリ検索で「Salesforce」を探すと上記が出てきますので、インストールしてください。
インストールが完了したらログインしますが、その際 ③招待と受入 で保存したユーザー名とパスワードを入力します。

スマホでの画面はこのようになっています。
PCよりだいぶ簡略化されていますが、メッセージやコメントを書きやすくなっています。
またメンション等の書き方も原則としてPC同様です。
便利なのが「スマホ撮影画像の添付」機能です。
メッセージやコメントを書く際、スマホに保存された画像を添付するだけではなく、カメラを起動して撮影即添付することが可能です。
急に届いた郵便について弊所に質問したり、物件の管理状況や資料の書き方の質問など、画像を通してお話したほうが良い場合にはこちらをお使い下さい。
もちろん、これらの画像も秘密保持対策は十分になされています。

<目次へ移動>

税理士法人耕夢chatterの使い方④(お客様向け)

④パソコンでの使い方
グループに加入すると、このような画面が表示されます。
(※このような画面でない場合は ⑥困った時は へ)

chatterの書き込みは、「トップメッセージ(そのトピックでの一番最初の書き込み)」に、「コメント」がどんどん付されていく形をとっています。
新しい話題が出た際は、トップメッセージをまず作成しましょう。

トップメッセージを書く場合、次の画面にある「最新情報を共有」と書かれた枠内をクリックすると、文字の記載やファイルの添付が可能なテキストボックスが現れます。

この書き込み欄でできることを以下箇条書きしてみます。
・普通のテキストファイル(太字や下線、箇条書きなどの装飾も一部可能)
・画像の貼り付け(ファイルとしても添付可能)
・メンションをつけて、知らせたい相手に通知(後で詳しく書きます)
・ハッシュタグ 「#」 あとは他のSNSと同様
・ファイルの添付の仕方 トップコメントには10ファイル、その後のコメントには1ファイルだけ添付
・リンクの張り方 http:~などで始まるテキストを書くと勝手にリンクに
・それ以外の言葉にリンクを貼りたければ、その文字列を選択してから「リンク(チェーンのアイコン)」ボタン→アドレス入力

メッセージを書く欄で「@(半角アットマーク)」を入力するか、人のマークのアイコンを押すと、メンションを付ける候補が表示されます。候補が出ない場合、相手の名前の一部を入れてみましょう。また全く候補に出てこない場合、その相手がこのグループに正しく所属しているか確認してください。
メンションを付けて送信すると、下のような通知(ベルのマークのアイコンを押すと表示)が出るとともに、メールでも相手にお知らせが届きます。

また、「グループの詳細」欄にある「グループのメール」アドレス(長いメールアドレス)に、登録したユーザのメールアドレスからメールを送信すると、そのメールの内容が投稿されます。

時々こういった画面になり、トップメッセージを書く欄が現れない時があります。
そういう場合は、「グループアドレス(上記の例だとchatterテストグループ)」が書かれたリンクをクリックすると、最初に示したトップメッセージを書くことのできるページに移動します。
なお、トップメッセージを書くことのできるページを開いている際、ブラウザのアドレスバーに表示されているURL(https://koum.lightning.force.com/lightning/r/***/view)は、そのトピックや付随するコメントをまとめて表すことができます。
議論の形式をWordやテキストファイルなどで保存しておくと、そのURLを開くことですぐにそのやり取りを呼び出すことができます。

<目次へ移動>

税理士法人耕夢chatterの使い方③(お客様向け)

③招待と受入
chatterグループは、「招待」→「受入」という過程を通じてグループに加入頂く手続きを採っています。
まず、chatterグループの管理者から、ユーザであるあなたに「招待」が送信されます。
これは通常メールで送られますが、そのメールアドレスはあなたが通常使っており、メールの受信が随時できるものを選び、事務所の担当に知らせて下さい。
送信された「招待」はすぐにメールボックスに届きます。
これを開くと以下のようなメッセージが書かれていると思います。

この中にある「今すぐ参加」ボタンを押すと、以下のような登録画面が出ます。

名前や会社名を入力するのですが、この際「姓」「名」が通常と逆順になっていることに注意して下さい(多分英語由来のシステムであることが原因です)。
この入力を終えて「次へ」を押すと次の入力画面が出ますが、その際一番上に表示される「ユーザー名」を必ずどこかに保存しておいて下さい。
その後パスワードを設定(少なくとも 8 文字を使用し、数字と文字を組み合わせ)し、携帯電話を登録(しなくてもOKです)するとアカウントが作成され、ようこそ!という画面になります。

この画面にある「表示」ボタンを押すと、参加したchatterグループのトップ画面が表示されるはずです。

<目次へ移動>

税理士法人耕夢chatterの使い方➁(お客様向け)

②耕夢グループchatterの特徴
先に説明しました通り、chatterは個人情報や企業秘密を含む情報を安全にやり取りすることのできるシステムです。
例えば、chatterにおいてやり取りされる情報には下記のようなものがあります。
・役職員の人事や給与、家族等の情報
・法人の月次試算表や前年比較などの分析データ
・相続税申告書の原稿や業務進捗状況
・戸籍謄本等のデータ
・不動産の状況など写真データ
・新製品・サービスの開発状況やそれに関連した会計税務の議論
・提携している弁護士、司法書士、社会保険労務士への相談

耕夢グループのchatterには「chatterグループ」がいくつも設けられています。
これらのグループは、法人や個人事業主の皆さんに向けたものがほとんどですが、一顧客一グループではなく、経理や相続対策など分野ごとに分けて複数設けられている場合も多くあります
これらのグループには参加者が厳格に決められており、同じ顧問先向けchatterグループであっても、そのグループへの加入が承認されていないユーザにはメッセージもファイルも一切閲覧できないようセキュリティが適用されています。

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