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SalesforceさんのWEBイベントに登壇します

税理士法人耕夢の代表社員である私(塩尻明夫)が、来週14日、15日に開催されるSalesforceさんの中小企業・スタートアップ向けイベント「~歴史的な変革期 ネクストノーマル時代における中小事業の再生と成長~」にWEB登壇致します。
昨今のコロナ禍を考慮し、企画から打ち合わせ、収録、確認まで「全てオンラインで実施」するという画期的な内容になっています。

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私と職員代表の2名が事務所の特徴や仕事の進め方、そのための管理手法やIT活用の方法について具体的な画面も示しながら説明しています。

コロナ禍が問題になる前から、働き方のあるべき形や人材採用、業務品質と効率の両立などに問題意識を持って改革を進めてきましたが、正直もっと緩やかに世の中が変わっていくものと高をくくっていました。
それがこのコロナ禍で一気に加速どころか不連続な変化となり、「変わらない者は生き残れない」経営環境が姿を見せつつあります。
私たちも必死で適応しようと頑張っていますので、そのような考え方の片りんでも感じて頂き、今後の参考にして頂けると幸いです。

なお、講演は基調講演(メディアアーティストの落合陽一氏が登壇)の直後、一般公演のトップバッターという順番になっています。

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WEBイベントで気軽に見ることができますので、是非ご覧ください!

税理士は仕事の全てを記録すべし?

私たち税理士は、法人税法、所得税法、相続税法、民法や会社法といった会計・税務に関係する法律に従って仕事をしなければなりません。でないとお客様に迷惑をかけるばかりか、自身にも重いペナルティを受ける場合があります。

これに加えて、我々税理士が活動する際従わなければならないのが「税理士法」です。
税理士法には、税理士の使命や義務、試験の内容や税理士名簿、税理士法人など税理士制度に必要な内容が全て書かれています。

今回はその規定の中で、あまり知られていない「帳簿作成の義務(41条)」についてご説明したいと思います。

1.帳簿作成の義務?
元々税理士は帳簿を作る仕事じゃないか!と思った方のセンスは正しいと思います。
税理士法第41条第1項には、下記のような記載があります。

(帳簿作成の義務)
税理士は、税理士業務に関して帳簿を作成し、委嘱者別に、かつ、1件ごとに、税務代理、税務書類の作成又は税務相談の内容及びそのてん末を記載しなければならない。

つまりお客様(法律上は委嘱者と呼ばれます)の会計帳簿ではなく、税理士がその行った業務の内容を詳細に記録しておく帳簿、のことなのです。正直、この名前変えた方が良いと思います。

この帳簿について、日本税理士会連合会が出している標準様式は下記のようなものです。

税理士業務処理簿

このような表に、お客様ごとに行った申告書を作成、提出したり、税務相談を受けたりといった業務内容について、毎日記録します。この記録は法定の「義務」であり、この義務を怠った場合、財務大臣による懲戒処分の対象となる可能性があります。
実際、税理士に対して行われた財務大臣による懲戒処分(ネットで公開されています)で、この「41条違反」は今かなり多くなってます。

処分例

このような懲戒処分が多い理由は、税理士法41条の「帳簿」を作成するには余分な手間がかかり、どうしても省略しがちになってしまうからではないかと思います。

2.弊所の対応
弊所は、税理士法人耕夢の前身である塩尻公認会計士事務所の時代からこの課題には積極的に取り組んでおり、独自に開発した「耕夢システム」において業務チェックリストやスケジュール・日報管理、お客様とのコミュニケーションを処理すると、自動的に税理士法41条の要件を満たした情報が記録されるようになっています。

耕夢システムがクラウド型であること、また独自の様式で記録していることから、税理士法が定める保存方法(電磁的でもよいが、クラウドを明言していないため事務所内の保存を前提にしている)や様式を完全に満たしているかどうかは正式な回答を得ておりませんが、事務所自体が受けた過去2回の税務調査においては、口頭ながら要件を満たしている旨のご意見を頂いています。

この業務処理簿は、手間をかかることを除けば事務所業務の品質管理や、お客様の利益保護にもつながる、税理士業界にとっても非常に重要な制度となっています。皆さんがITツールを活用して、できるだけ効率的に実現して頂くように願う所です。

以上

「にせ税理士」について

1.税理士の使命とは
税理士法第1条には、税理士の使命として「税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ること」が掲げられています。
この使命に基づき、我々税理士は確定申告など、様々な税に関する手続や相談に応える仕事を行っています。
税に関するこれらの仕事は、一般的に難易度が高く、また大きな金銭的利害の関係するものが多いため、税理士法はこのような仕事が行える者を、国家試験や実務経験を経て、税理士や税理士法人などとして公に登録された者に限定しています(税理士法第52条)。この法律に反して税理士等以外の者が税理士業務を行うと、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金が科されることになります(税理士法59条)。これには、報酬を受け取っているか否かは関係がありません。

2.にせ税理士とは
このような法律に違反してにせ税理士行為が行われるのは、税理士業務が税理士の独占業務であり、儲かると思われているからかもしれません。また、税金に関する手続きは押しなべて難しく、気軽に頼める税理士に出会えなければ、よく知っている者に頼んでしまうこともあるかもしれません。
しかし、税理士は前述の通り国家試験や実務経験を経た者だけが登録できますし、守秘義務や脱税相談の禁止など、様々な果たすべき義務があります。また最近は、「最低年間36時間の研修」が義務付けられ、自己研鑽も行っています。このような条件を満たしていない者に税理士業務を依頼した場合、場合によっては誤った手続きで不測の損害を受ける、税務署から厳しい処分が課されるといったトラブルを被ることになりかねません。またそういうトラブルの際には、あっさりと逃げてしまうケースもあります。
では、にせ税理士にはどんなタイプがあるでしょうか。大きく分けると下記のような区分があると言われています。

①無資格税理士
税理士としての資格を持たない者が、税理士であると嘘をついて税理士の仕事をする場合がこれに当たります。
税理士事務所に勤務していた(または現在も勤務している)経験者が、個人として行っている場合が多く、「○○先生」と呼ばれてあたかも税理士のようにふるまい、帳簿の記帳、申告書作成や税務相談に対応します。
しかし税理士ではありませんので、後述の通り税務調査に立ち会うことはできません(税務署はにせ税理士を摘発することも重要な仕事としていますので、怪しいとわかればすぐに見つかってしまいます)。

②名義借り・名義貸し
上の無資格者や税理士でない者が作った一般の会社(「○○記帳代行サービス株式会社」など)が依頼者から税理士業務を引き受け、自分たちができない税理士業務の部分を税理士が行っているように見せかけるため、実在する税理士や税理士法人の「名義を借りる」ことを言います。
この方法は、申告書に税理士や税理士法人の記名や捺印があるので一見問題がなさそうなのですが、税理士法はこのような「捺印だけ税理士が行う」行為もにせ税理士行為と同じとして禁止しています。
法人税の申告書を作成する場合、その申告書だけではなく作成の元になった帳簿や、さらにその元になった資料、会社の状況などを税理士は十分に知っていなければならないのです。このため、名義だけを貸し、税理士の捺印だけを行うような行為は税理士が十分に責任を果たしていることになりません。

3.にせ税理士を見抜くには
私たちが実際に出会った事例でも、全て依頼者は「ちょっとおかしいかな?」程度の疑問しか持たずに仕事を依頼し続けていました。私たち税理士にはほとんどがすぐわかることですが、慣れていない一般の方々にとっては難しいようです。
では、税理士でない一般の依頼者が、このようなにせ税理士と正規の税理士を区別するにはどうすればよいでしょうか?
以下、にせ税理士を見抜く「特徴」と、「方法」をご説明します。
もし運悪く依頼されている「税理士と思っていた人」がそうでなかった場合や、ご友人の依頼されている者がにせ税理士だった場合、最寄りの税務署や税理士会などにお問い合わせ頂ければ適切に対応してもらえると思います。

①にせ税理士の特徴

  • 安すぎる報酬
    自己研鑽や投資もせず闇で仕事しているため、コストが低い。また、税理士のような特別な能力がないので価格勝負するしかない
  • 経営相談や税金対策の相談になかなか乗ってもらえない
    帳簿作成や基本的な申告書作成など限られた能力しかなく、自己研鑽していないので税務対策、経営相談など高度な話が分からない
  • 税務調査に立ち会ってもらえない
    前述の通り、税務調査に立ち会うと、調査官に会ってばれてしまいます
  • 申告書に署名捺印や電子署名をしたがらない
    同じく署名すると「存在しない税理士」なのでばれてしまいます
  • 捺印(電子署名)している税理士と、頼んでいる「税理士」が違う
    頼んでいる「税理士」が、捺印や署名している税理士から名義を借りています
  • 顧問料の振込先が「○○税理士事務所」や「○○税理士法人」ではなく「株式会社○○」や「○○コンサルティング」など税理士のつかない名前となっている
    偽税理士が報酬を取っている、又は捺印だけの税理士から名義を借りている
  • 税務署との交渉を嫌がり、すぐに「こんなものですよ」と逃げる
    税務署と交渉しようにもにせ税理士なので、相対したとたんにばれてしまう。または能力がなく、高度な交渉ができない
  • 顧問契約書(業務委託契約書)がない
    税理士でないものが税務業務に関する契約書を作成した時点で無効な契約書になります

②税理士かどうか調べるには
上記の特徴にいくつか当てはまり、「おかしいな」と思ったら下記を試しましょう。

  • 日本税理士会連合会の「税理士情報検索サイト」
    こちらにフルネームを入れて検索すると、その人が税理士として登録されているかどうかがわかります。
  • 税理士証票を提示させる(写真付きですぐわかる)
    上記のサイトでも見つからず、いよいよにせ税理士である可能性が高くなったら、本人に「税理士標章を見せる」ように求めましょう。この税理士標章は、氏名や生年月日、登録番号、所属事務所など税理士としての基本情報が写真とともに記されており、税理士は仕事の際携帯することが義務付けられています。所長塩尻の税理士証票は下記の通りです。
    IMG_4855

 以上

「耕夢」ってこんなシステムです(事務所日常のご紹介)

私たちの事務所名にもなった「耕夢(こうむ)」。
日本どころか世界のどこにもないコンセプトで作られた、会計事務所の業務管理用アプリケーションです。
このシステムを機能面で紹介することはもちろん可能なのですが(セールスフォースさんのページにもご紹介あり)、実際どのように使われているかを比較ストーリー形式で書いてみました。
この内容、特に誇張はなく、実際にそれぞれの事務所で起こっていることがほぼそのまま書いてあります。
では、会計事務所の一日を少しだけご覧ください!

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<7:30am>

(耕夢)
所長が出所。通勤中の電車で「内部chatter」に研修担当職員が掲載した会計・税務等の最新業界誌を読み、知識をアップデートするとともに必要な論点を「耕夢チェックリスト」に反映していく。また、お客様に関連する情報があれば、お客様それぞれに用意された「外部chatter」で早めに情報を提供しておく。
また、昨晩から今朝にかけて事務所に届いたFAXも紙で出力されず「内部chatter」に掲載されているので、全て確認の上対応が必要な場合は、そのFAX自体にコメントをつけ、各担当職員への指示を出しておく。​
ここまで全てスマホやタブレットだけでOK。

(旧来事務所)
所長は早めに出所するよう心掛けているが、各担当の業務進捗は朝礼まで不明。机の横に溜まった業界誌を「読まなきゃな」と思いつつ、昨晩返事できなかったメールの返信と、昨日事務所に居なかった際に積まれた書類・郵便の山で時間を取られる。もちろん紙で出力されたFAXは担当が出所するまで放置。​

​<08:45am>

(耕夢)
職員が​出所。掃除やシステムメンテナンス、郵便の受け取り、有給管理、小口現金、消耗品管理・発注など総務的業務も「総務チェックリスト」の「期日到来・未実施チェックリスト」を参考にしながら漏れなく総務業務を行っていく。
業務時間が始まると、まずは「直近スケジュール」で自分に加えて所長、他の職員の2週間分のスケジュールを確認。他の職員のスケジュールに給与計算やお客様との面談など「クリティカル業務​」マークの付いたものがある場合、体調不良による休みはもちろん、お子さん​の急な発熱により保育園に預けることができなかった場合の「在宅切り替え」など、バックアップ対応を皆で検討しておき、カバーしきれない場合は所長に報告して対処を頼んでおく。

(旧来事務所)
職員が出所。朝礼までに掃除などを進めるが、特にマニュアルはないのでベテラン職員の経験次第で、時々抜けることがある。
9時からは30分ほどかけて朝礼。本日行う業務や来所予定、申告期限などの確認を行うものの、報告方法や内容もメモや口頭で、網羅性の確保やフォローアップは難しい。本日急に体調不良で休んだ職員の担当業務については、業務進捗は本人しかわからず、とりあえず「何かあったら所長に相談する」ことにした。

<10:00am>

(耕夢)
朝一の業務が終了したので、次は今月が決算期末の​お客様の決算書・申告書作成。耕夢(こうむ。案件のこと)ごとに用意されたチェックリストを見ながら、漏れのないよう作業を進めていく。チェックリストのスケジュールに基づき早めに資料を依頼しているため滅多にないが、追加資料が必要となった場合も「外部chatter」で依頼、お客様からはファイルを添付してすぐにお送り頂く。「外部chatter」のセキュリティは十分に確保されているので、ファイルもパスワードなしで添付して頂いてOK。

(旧来事務所)
それぞれが自分のカレンダーにメモ書きした業務をスタート。​決算作業は前年の踏襲と各担当の経験に基づいて進める。しばらくして資料が足りないことに気づき、電話でお客様に依頼したものの、届くのは明日。他の業務も取り立ててないので(実際には見えていないだけ)手待ちになる。

<12:00pm>

(耕夢)
全員不在を避けるためランチタイムはシフト制としているが、担当が不在の際お客様から問い合わせがあっても、「外部chatter」でのやり取りやその他お客様関連データ、経緯は全て​掲載されているため、担当以外でも即座に対応が可能。

(旧来事務所)
お昼に出ようと思ったら、お客様から問い合わせのお電話が。運の悪いことに本日お休みの職員が担当しており、状況も資料もわからない。仕方がないのでその職員の携帯へ電話するが、病院へ行っているのか連絡がつかない。お客様には「申し訳ありませんが職員が不在で」とお詫びの電話を入れる。​所長はランチを兼ねて夕方まで外出してしまい、これまた電話に出ない。

<1:00pm>​

(耕夢)
所長が新規ご紹介先の工場を訪問のため外出。スキャンされた名刺がデータ化され、あらかじめ顧問先データ登録が完了しているので、スマホアプリから登録された電話番号に電話することも可能。また、登録された住所は地図に変換されてスマホのナビにそのまま転送されるため、徒歩、車、公共交通機関などを使った詳細なルートと所要時間が即座に表示され、初めての訪問でも迷いや遅れがない。​

(旧来事務所)
所長はフットワークが軽いのはいいが走ってから考えるタイプのため、外出してから「あのお客様の連絡先どうだったっけ」「○○の資料送って」「迷ったからちょっと遅れると連絡入れといて」など、職員頼みの行き当たりばったりな行動が多くなってしまう。そのたびに職員の作業は止まり、生産性は下がっていく。​

<2:00pm>

(耕夢)
午前中に行われた業務で耕夢の進捗割合が変わったので、それをトリガーとして自動で「内部chatter」に進捗度が掲載される。また、月次試算表が完成したら、これもPDFで「外部chatter」に掲載、社長向け伝達項目となる今月のトピックなどもコメントしておく。耕夢のリストには進捗度に応じて作物の育成段階を模した動くアイコンが設定されており、「(辛い)仕事」ではなく「お客様のために丹精込めて作物を育てる」イメージが持てて面白い。
また、隙間時間も前倒しの仕事はもちろん、​「期日経過・未完了ダッシュボード」を確認し、少し遅れ気味な他の職員の耕夢に関するチェックリストを代わりに実施したり、chatter掲載の業界誌を読んだりと、手待ちになることはほとんどない。

(旧来事務所)
資料の遅れもあり、集中月の決算作業は遅れがち。前年度も申告期限ぎりぎりになって税額や報告予定日のご連絡をしたので今年はなんとか早くしたいが、昨年辞めた職員の後を引き継いだためまだ業務に慣れず、マニュアルもなく過年度の資料を見ながら進めるのでなかなかスピードが上がらない。自分はバタバタしているのに、手待ちで所長が居ないのをいいことにネットを見ている職員がいるとストレスがたまり、はや転職を検討している。​

​<3:00pm>

(耕夢)
他の担当が仕上げた決算の「検算」を、副担当として実施。​該当するお客様の「チェックリスト」を表示し、一つ一つの項目がきちんと実行されているかを確認していく。ドラフト決算書や申告書も「chatter」にて掲載が可能となっているので、出張先や在宅でも、またタブレットでも検算作業が可能となっている。
検算により発見された特定の事項は「チェックリスト」の「添付書類コメント​」に記載する。このコメントにはタグが付けられており、「税理士法33条の2の添付書面(税務調査のリスクを減らす書類)」への記載事項へ自動的に転記される。またこれらのタグは、チェックリストそのものの改訂、消去を指示する場合にも利用できるようになっている。

(旧来事務所)
決算は完成したが、所長が不在で、他に内容を知る者もいないので、とりあえず印刷して注意事項やまだもらっていない書類などを付箋に書いて所長の机の上に置いておく。以前別のお客様で税務調査があった時、チェック漏れで大きな失敗を指摘され、お客様からも所長からも叱責された記憶がちらつく。もっと勉強しなきゃとも思うが、なかなかその時間も取れなくて不安が募る。​

<4:00pm>

(耕夢)
保育園のお迎えがある短時間職員が退所。明日は乳幼児健診があるため在宅勤務の予定だが、留意事項は関連する「chatter」に記録してあるため、業務はシームレスに進めていける。
また、どうしても質問の必要な場合「内部chatter」で資料を添付して問い合わせをしておけば、スマホアプリでお迎え後など手の空いた時間に簡単な回答を貰うことも可能となっている。

(旧来事務所)
病欠の職員とようやく連絡がつき、午前中の質問事項をお客様に伝えることができた。このやり取りで取られた時間はかなりのものだが、表向きは自分の仕事が進まなかった結果しか残らず、なんだか損した気分になる。今結婚を考えている相手がいるが、出産、育児をこの環境で乗り越えられるとは思えず、非常に悩ましい。

<5:00pm>

(耕夢)
業務をこなしながら、お客様とは「外部chatter」を中心に​密なコミュニケーションを取っておく。電話やメールでも連絡は可能であるが、「税理士法41条に規定する業務処理簿」に記載すべき税務に関する質問・回答や、どんな業務を行ったか​といった情報は、chatterを使えば二度手間がなく効率的で、正確かつ分かりやすい。パソコンメールすら使えないお客様でもSNS的な使い勝手のスマホ向けchatterアプリは馴染みがあるし、資料のコピーもその場で撮影したものを鮮明に投稿できるので、業務に関連しそうな書類はすぐ掲載される。使い勝手の良さから「パソコンよりこっちの方が便利」という年配の経営者も出てくるほど。

(旧来事務所)
定時終了間際に、お客様から電話とFAXで「明日が期限なので今日中にこの資料を作って欲しい」と頼まれる。内容を見ると2カ月前にはわかっていたことで、その時一言入れておいてくれれば…という言葉をぐっと飲みこんで残業を覚悟する。何時も「ほうれんそうが大事」と言っている所長にはメールで報告しておくが、返事がなく読んだかどうかすらわからない。

​<5:30pm>

(耕夢)
業務時間終了少し前に、「スケジュール」と「実績」を入力。スケジュールは、今後最低でも2週間程度​の業務予定を日時(開始・終了)を指定して記載し、また、実績については先に書いてあるスケジュールを基礎とし、それぞれの耕夢単位で実際にかけた時間を入力する事で効率的に記録できる。総務業務や担当外のヘルプ業務を行った場合でも実績として記録され、業務実績の評価は正当に行われる。
実績が記録されると「内部chatter」に「退勤記録」が自動的に掲載され、定時できちんと退所できたことが出張中の所長にも確認できる。​また、上手にヘルプ業務を行った場合や難しい課題を解決した場合には、所長や職員から「いいね」やお礼のコメントがついてくる場合もある。
有給休暇も内部売上を割り当てられた「耕夢」の一つとして扱われており、予定を登録することで自動的に「内部chatter」に申請が行われる。承認はその申請に所長が「いいね」することで完了する。有給休暇の累積と残り日数はレポートで自ら確認できるので、業務の状況にも配慮しつつ無理のない消化が可能となっている。​

(旧来事務所)
急ぎの書類作成は意外と計算が難しく、終わる気配もないまま定時にタイムカードを押せない日が続く。本日積み残しの仕事はとりあえず明日以降に回すしかなく、「こんなに忙しいのに何考えてるんだ」と言われて有給すら取りづらい。

<7:00pm>

(耕夢)
所長が出張先から自宅へ直帰。その間にスマホアプリで本日実施された業務やその時間、耕夢の割り当て状況、お客様ごとの採算に目を通しておく。お客様とのやり取りや事務所内外での通知事項だけではなく、耕夢の進捗状況やチェックリスト改定内容、受信FAX、送付状控など全てが内部・外部chatterに記載されているので、これらをブラウズしておけば翌日に持ち越すことなく連絡や意思決定を行うことができる。

(旧来事務所)
ようやく書類ができたので、お客様にFAXして業務終了。​置きっぱなしの決算書の上へさらに控を置いて、帰り支度を始める。明日この件で朝礼後時間がとられると、溜まった仕事がまた遅れてしまうとうんざりする。

岐阜事務所 開設のお知らせ

平素より大変お世話になっております。

この度、我々税理士法人耕夢は、新年度となる6月1日から、岐阜のしのだ会計事務所をグループに迎え入れることとなりました。
しのだ会計事務所は、岐阜市入舟町で平成15年に開業された、所長以下全員が女性の事務所です。全員が女性ということで、耕夢が目指している新しい働き方の大きな力にもなるのではないかと期待しております。
しのだ会計事務所の加入で期待されるのは単なる会計・税務業務だけではありません。
所長の篠田税理士は、税理士としての能力はもちろん、顧客サービスについても抜群の能力を備えており、お客様への経営アドバイスや助成金など活用の提案力についても大変優れています。
加えて、篠田税理士は単に耕夢システムの使い方だけではなく、仕組みとしての耕夢を深く理解しています。

今回の加入をもって、弊所は3拠点に総勢17名という規模となりました。
しかし、弊所は単に規模や収益の拡大を目指しているのではありません。
現在行っていることは、十数年前から準備を始めた、特に女性を中心とした「普通にまじめな人たち」が、「楽しく普通に努力すればよい成果が得られる」環境を作りたい、という代表の願いを着実に実現しているに過ぎません。

今後この仕組みに一番必要なのは「協力」です。

普通の人ひとりが頑張っても、大きな事務所や輝かしい経歴・能力を持つスターと同じことは出来ません。
しかし、真っ当な考え方と正しい知を共有し、相互に協力した組織は、どんな個人より強くなります。そういう仕組みが作れれば、むしろ「普通にいい人」たちが集まり、力を発揮したほうが良いのです。

耕夢という概念は、システムだけではなく仕組み全体でこれを実現しようとしています。

​なおお客様は大事ですが、自身でできる努力もせず無理難題を強いる方、職員の気持ちや身体的安定に悪影響を及ぼす方は、改善の努力も効かなければお断りすべきと思っています。
何よりそういうお客様は、お客様ご自身でも持続的に高い収益をあげ、顧客や従業員の為になり続ける可能性は低いのです。

しかし本当によいお客様、特に顧客はもちろん従業員やそれぞれの家族、世間を大事にする企業の業務には、全員が協力して全力で担当する、という信念を持つグループを作り上げたいと思っています。

以上、長くなりましたがお読み頂きありがとうございました。
数年後、「耕夢」の考え方がある程度正解だった、と思える日が来るように、私も頑張りたいと思います。
これからも是非ご指導、ご協力を宜しくお願い致します。

​税理士法人耕夢 代表社員 塩尻明夫

間質膀胱炎国際会議(ICICJ)への支援

営利活動を行っている事業者は、税金とは別にその身の丈に応じた社会貢献をする必要があると私は思っています。

それは単に社会に対する責任というだけではなく、適切な社会貢献活動は、企業の規模を問わず長い時間を通じて自らにも還ってくると思うからです。

私も非常にささやかですが、毎年いくつかの社会貢献を行うように心がけています。
その一環として、今年は第3回 ICICJ(International Consultation on Interstitial Cystitis, Japan/間質性膀胱炎国際会議)学会誌への広告掲載を通じて資金拠出を行うこととしました。

http://www.hainyo-net.org/study/icicj/

この学会は、「間質性膀胱炎」という非常に厄介な病気の研究のため開催される国際会議です。
「間質性膀胱炎」は人知れず苦しむ方の多い「隠れた難病」とでも言うべきものですから、派手さはないものの、世界中に苦しむ患者さんが相当数存在します。
この学会やその出席者は、そのような患者さんたちに、適度なコストで有効な治療が行きわたるよう、日々努力している方たちばかりです。

ただ非常に珍しいことに、この学会を主催しているのは開業医でありながら泌尿器科の世界的権威でもある上田朋宏先生個人なのです。それにも拘わらず、学会には世界中から有力な研究者や医師・看護師、そして患者さんたちが出席され、毎回盛会となっています。

とはいえ。
やはり個人でこういう活動を行うには資金集めに最大の困難があります。
上田先生を中心に毎回相当な努力なさっているのですが、いまだ十分とは言えない状況です。

ということで、私の広告がその一助となればと考えております。
もちろん、広告掲載ですから事務所のPRにもなると思いますし、冒頭で書いた通りいずれ何かで還ってくる(利益だけではなく)と思っています。