一般」カテゴリーアーカイブ

税理士法人耕夢は「競争しません」(1周年記念)

本日11月1日、税理士法人耕夢は昨年の設立からちょうど1年となりました。
お客様、職員の皆さん、そして全てのお世話になった皆様に、心より感謝申し上げます。

1.耕夢システムと法人化
会計事務所業界は転機を迎えています。劇的なIT化の進展や税務の複雑化のみならず、競争の激化、そして人材獲得の難しさは、重要な経営課題となりつつあります。これに加え、新型コロナ感染症の影響は、主要なお客様である中小企業に破壊的な影響を与えています。
このような激変する環境に適応するには、やはり組織の力が必要です。
飛び抜けた力が無くても、適切な知識・経験・常識を持ち、他を思いやる心を持った人間が協力し合うことで大きな力を発揮できる、そういった仕組みが大事です。
法人としての耕夢、またシステムとしての耕夢は、このような仕組み作りの為に生まれました。
(耕夢システムは、Salesforce社さんの「Sales Cloud」をプラットフォームとしています)

2.この1年間を振り返って
今年6月から6名が新たに参加、3拠点(本町、堺、岐阜)合計で17名となっています。
耕夢の理念を共有し、それぞれ協力し合う環境がこの1年で少しずつ出来上がりつつあります。
例えば、新たなお客様にご契約頂くありがたい場面でも、担当だけではなく全員がお客様の為に協力するということが当たり前のようになっています。
拠点間のネットワークを配備し、これを利用して全員がテレワークを行うことも可能となりました。このシステムは元々コロナ禍を想定せず準備していたものですが、運よく助けられることとなりました。
耕夢システムが持つ顧客管理、チェックリスト、日報、職員間のコミュニケーションといった機能は、品質管理や情報共有といった機能を通じて事務所運営に大きな良い効果を与えてくれています。
1年間を振り返ると、ありがたいことにある程度考えていたことが実現できたように思います。

3.これからの話~競争しません
これを踏まえ、今後の方針として「競争しない」を掲げたいと思います。
ITのない昭和の時代、成果の測定が極めて難しかった環境においては「競争」は良いツールでした。人の原始的な本能を刺激して成果を上げる方法だからです。
しかし、社内における競争は人間関係の軋轢を通じてイジメや抑圧、良い人材の流出など様々な問題を発生させる原動力となるのです。
「では競争しないでどうやって成長するのか」と思われるかもしれません。
しかし実はこの「競争が成長を生む」という考え方も昭和そのものと思います。
成果を(ITで)測定し、それを見せ、意味を理解させ、フィードバックさせるという仕組みを作れば、まともな人は必ず良い成果を自分で出します。また、競争とは逆に平和と相互理解、尊重すら生むのです。

また、対外的にも競争はしません。
他の事務所との報酬での単純な比較や、顧客数の多寡など、「ライバルに負けない」姿勢は社内の競争と同じく軋轢や疲弊を生みます。
私たちは、まずは自分たちが品質の高い業務をできる体制を作り、これを、実績とともにお客様に見て頂くこと、その正当な対価を頂くこと、といったシンプルですが非常に大事な姿勢を明確にします。

4.耕夢の役割
これら「競争しない」ためのツールが耕夢です。
耕夢は社内の成果を明確にし、業務の品質を高め、お客様に実績を見て頂き、価値を納得頂けるための機能が備えられています。
※下記はお客様ごとの発生時間推移と、各職員が担当する業務量のグラフ)

発生時間グラフ

税理士法人耕夢は、このような考え方を基礎に、今後もよい仕事ができるように努力致します。
皆様今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

セカンドオピニオン歓迎

セカンドオピニオンとは

「セカンドオピニオン」とは、元々医療の世界の言葉です。具体的には、「治療や手術などの方針について現在かかっている医師とは別の医師の意見を聞き、参考にすること」を言います。
医師とて全てにパーフェクトではありませんし、注意を尽くしていても見逃しや診断の誤りはあり得ます。このため、別の医師の意見を聞くことも時には必要なのです。
但し、その場合でも「ファーストオピニオン」、要するに担当医の意見はまず大事にすべきです。医療を受ける側は、症状などが悪いほど自分の願望に応じて都合の良い意見を求める(「オピニオンショッピング」と言います)ことがあるからです。

medical_seishinka_man[1]

※医療におけるセカンドオピニオンについては、例えば東京都福祉局のWEBページにわかりやすい説明があります。

税理士事務所のセカンドオピニオン
税理士事務所のWEBページ等で「あなたは今の税理士で大丈夫ですか?」や、「こんな税理士は要注意」といった説明を展開し(そこだけなら弊所ブログ「にせ税理士について」と似ています)、さらに他の税理士の業務に対する「セカンドオピニオン」を営業トークにしている事務所を時折見かけます。

セカンドオピニオンとは前述の通り元々医療の世界の言葉ですが、公認会計士や税理士などの専門家業務においても使われることが増えてきました。
要するに「現在依頼している専門家の業務について、他の専門家に依頼して評価、検討する」ことを言います。

このような営業姿勢は、特に若くパワフルな税理士が経営する事務所に多いようです。
しかし通常、元々契約している税理士はこのようなセカンドオピニオンを好まないものです。自分たちの間違い探しをされるような気がしてプライドが傷つけられるからかもしれません。

もう一つ注意すべき点があります。
私も時々関与している金融機関を通じてセカンドオピニオンを求められるのですが、「今の税理士がこんなにダメだから見て欲しい」といった論調が時々見受けられます。
ところが、良く聞くとその税理士が実際にはきちんとしたプロとしての判断や仕事をしておられるのに、依頼主とのコミュニケーション不足で理解されていないだけ、ということが多々あります。そのようなケースにおいては、今の税理士が如何に真っ当な仕事をしておられるかを説明し、もう少しコミュニケーションをとってみてはどうか、とアドバイスしています。

私達のスタンス
さて、私達の事務所は、私達のお客様が他の税理士などのセカンドオピニオンを受けることも「歓迎」しています。
私達の事務所内には、「耕夢」システムを中心として職員教育や業務チェックリスト、相互チェック、トリプルチェック、税務調査対策など品質管理に関する枠組みが設けられています。また最後の砦として、税理士賠償責任保険(税理士が判断を誤って税務上の損失が出た場合に補填する保険)にも加入しています。

しかし、どんなことにも100%の無誤謬はあり得ません。万一そのような場合には、顧客にご迷惑をお掛けすることになりますし、セカンドオピニオンの結果お客様が損失を回避できれば、それは結果としてお客様のためになる良い事なのです。
もちろんそのようなケースがあれば私達は大変恥ずかしい限りなのですが、逆にそのような緊張感の元に自らを置くことで、さらなる業務品質の向上を目指すエネルギーが生まれてきます。

微小ながんも発見する「PET検査」

皆様、PET(ペット)検査という言葉を聞かれたことがあるでしょうか?
このPET検査、「Positron Emission Tomography」の略で、日本語に訳すと「陽電子(ポジトロン)放射(エミッション)断層撮影(トモグラフィ)」となります。
このPET検査は、特殊な手法で非常に小さく、まだ悪影響の少ない形で除去できる「がん」の発見に役立ちます。
私はこのPET検査を毎年受診しておりますので、検査の説明と関係する制度についてご説明したいと思います。

1.がん細胞の特性
がんは「悪性腫瘍」と呼ばれ、自分の体の細胞が変異して病理性のある腫瘍(できもの)になることを言います。このがん、最初は1ミリ程度の大きさ(発生期)なのですが、育成期には数年かけて1cm~数cmと育ち、その後は急激に増殖、転移などを引き起こします。
ただ、育成期においてもがん細胞は普通の細胞とはちょっと違った特性を持っています。
それは、毛細血管の生成です。
がんは自分が育つために栄養を必要としますので、自分の周囲に勝手に毛細血管を張り巡らして少しでも多くの血液を得ようとするのです。

2.PET検査
PET検査はこの特性を利用します。
毛細血管で集めた血液は、正常な細胞に比べて数倍のブドウ糖を取り込むことになります。
そこで、FDG(フルデオキシグルコース)と呼ばれるブドウ糖に近い成分を体内に送り込んでおくと、このFDGもがん細胞に多く集まります。
実はこのFDG、正確には18F-FDGといい、グルコース(単純な構造をした糖)の-OH(ヒドロキシ基)を18F(弱い放射性を持つフッ素原子)で置き換えてあるので、それ自体から陽子線を発するのです。
これを特殊な機器で撮影すると、がん細胞は正常な細胞より「光って見える」のです。

3.被ばくについて
放射性物質を体内に取り込むのでちょっと怖いのですが、実際の被ばく量は「CT検査程度」と言われています。検査を担当する病院の皆さんはやはりかなり気を付けておられますが、年1回程度の受診のみだとほとんど影響はないようです。
なお18F-FDGの半減期(放射性が半分になる時間)は約110分です。
原発事故で注目された放射性物質(下記)と比較すると非常に短くなっています。
・ヨウ素131…8日
・セシウム134…2年
・セシウム137…30年

4.検査の流れ
問診、準備
病院につくと検査着に着替え、問診を受けます。その際、身長や体重も測りますが、この体重は検査溶液(FDG)の量を決めるのに大事なデータとなります。
採血と溶液注入
次に採血室に移動し、少しだけ採血します。
この採血も、血糖値があまり高いと検査が難しくなるので、必ず行われます。
そして採血針を刺したままアタッチメントを切り替え、数分程度かけてFDGを体内に注入します。
安静室
その後FDGが体にいきわたるまで、安静室にて45分~1時間程度安静にします。
その際、原則として雑誌や新聞、スマホなど、凝視するようなものは使用禁止です。目に血液が集まってしまい、検査に不都合が出るからです。皆さん普段忙しい方々だと思いますので、一瞬世間から隔絶される休憩時間と思って休みましょう。
検査
CTやMRIといった機器に似た装置に横たわり、15分ほど撮影を受けます。
動くと画像がぶれてしまうため、体を動かさないようにしなければならずちょっと辛いかもしれません。
pet_01
<私が受診している中之島クリニックのPET装置>

排出と終了
弱いものとはいえ放射性物質を体内に入れていますので、完全になくなるまでは病院にいる必要があります。注射から2時間程度経過するまでもう一度隔離された安静室で待機、全てが尿として排出されるのを待ちます。
結果の通知
1~2週間したら、自宅に検査結果が届きます。
ここで小さなものが発見されても、慌てず専門の病院を受診、治療を検討しましょう。
検査結果にはこのような写真が入っています。
IMG_4753

上左から順番に体の断面を撮影しています。
この中で、様々な内蔵部分に「光る」部分があればそこが微小であってもがんの可能性がある、ということになります。
但し、脳や膀胱など、元々血液や尿の集まりやすい所は必ず光ってしまうため、別の検査を組み合わせる必要があるようです。

5.医療保険の適用
原則としてPETには医療保険の適用はありません。
安くても10万円程度かかる検査なので、支出としてはちょっと痛いかもしれませんね。
但し、がんが疑われるときなど、医師による指示があった場合には保険適用の対象となり自己負担だけで受診できます。
また、最近の健康保険は「人間ドック助成」のような制度を使い、PET検査についても補助する場合が多いようです。また会社によっては健康保険の補助を超える自己負担部分も会社が負担することがあります。この会社による負担については、従業員への給与(課税)とせず、福利厚生費など税務上の経費とすることが可能です(弊所も同様の制度を導入しています)。

6.生命保険(特約等)との関係
生命保険にはがん等に対応する特約がありますが、これらの中にはがんが発見された場合に一時金を支給したり、その後の保険料を無料にするものがあります。
PETによる発見は治療の容易な非常に初期のがんも発見可能であるにもかかわらず、これらの制度が使える場合が多くあります。

少し費用が掛かりますが、早期発見・治療や医療保険の対応などメリットも多いので、皆様ぜひ受診を検討なさって下さい。

 

SalesforceさんのWEBイベントに登壇します

税理士法人耕夢の代表社員である私(塩尻明夫)が、来週14日、15日に開催されるSalesforceさんの中小企業・スタートアップ向けイベント「~歴史的な変革期 ネクストノーマル時代における中小事業の再生と成長~」にWEB登壇致します。
昨今のコロナ禍を考慮し、企画から打ち合わせ、収録、確認まで「全てオンラインで実施」するという画期的な内容になっています。

title

私と職員代表の2名が事務所の特徴や仕事の進め方、そのための管理手法やIT活用の方法について具体的な画面も示しながら説明しています。

コロナ禍が問題になる前から、働き方のあるべき形や人材採用、業務品質と効率の両立などに問題意識を持って改革を進めてきましたが、正直もっと緩やかに世の中が変わっていくものと高をくくっていました。
それがこのコロナ禍で一気に加速どころか不連続な変化となり、「変わらない者は生き残れない」経営環境が姿を見せつつあります。
私たちも必死で適応しようと頑張っていますので、そのような考え方の片りんでも感じて頂き、今後の参考にして頂けると幸いです。

なお、講演は基調講演(メディアアーティストの落合陽一氏が登壇)の直後、一般公演のトップバッターという順番になっています。

program

WEBイベントで気軽に見ることができますので、是非ご覧ください!

加圧トレーニング

皆様、「加圧トレーニング」をご存知ですか?
みんなで筋肉体操(NHK)」など、筋トレが注目されていますので、ご存知の方も多いかもしれません。
この加圧トレーニング、50年以上前にボディビルダーの佐藤義昭氏が、正座による「脚の痺れ」をヒントに発明したトレーニング方法です。

加圧トレーニングは、空気圧をかけたベルトなどで血流量を制限しながらトレーニングを行う事で、腕や脚の乳酸(疲労で発生する物質)を増やします。
そしてトレーニング後にベルトを外すと高濃度で溜まっていた乳酸が体内に流れていき、それに脳下垂体が反応する事により、成長ホルモンが分泌される、という仕組みだそうです。
この加圧トレーニング、若い世代だけではなく、我々のような50代やもっと高年齢の方々にも非常によい特徴を備えています。

まず、加圧トレーニングの特徴は、「負荷やトレーニング時間が少なくても効果が得られる」ところにあります。
例えば、普段20キロのダンベルを使っているような人でも、2~5キロ程度で十分だそうです。また、1回のトレーニングも30分程度で効果が得られるとのことです。
このことで、だんだんと体力が落ちていくシニアの方々でも安全にトレーニングが可能になります。

またダイエット効果が非常に高いです。加圧をすると通常の数~数百倍の成長ホルモンが分泌されることで、筋肉がついて脂肪が燃焼しやすくなるからです。また、肌のツヤやハリを取り戻す効果も期待できるらしいとのことです。
そして意外と大きいのが、リハビリ効果であるといわれています。
加圧をすると骨折や肉ばなれ、ねんざなどのケガの回復が早くなるという研究データがあるそうです。これは、分泌される成長ホルモンによって、筋肉や人体の修復が早まると考えられるからで、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などのリハビリ現場でも取り入れられているケースがあるそうです。

年齢を経るとどうしても老化により自然と体力が落ちていくのですが、この加圧トレーニングを使うと、老化のスピードを抑えることが可能になるそうです。
老化を抑えるトレーニングの場合、加圧だけで負荷をかけなくても十分な効果が得られる、とも言われています。

なお、自分で加圧トレーニングを体験できる道具も販売されているようですが、加圧トレーニングは専門的な経験を積んだトレーナーが、トレーニングをする人の体力や年齢を考慮した上で、圧のかけ具合や時間を決めなければ、かえって体への悪い負担を生じかねません。
もしご興味を持たれた方は、是非専門のトレーナーによる指導を受けてお試しください。

開業準備アゲイン

皆さんこんにちは。

元々の本業である会計事務所の仕事が、この夏は結構大変で…
…といっても、別に巨大なスポット業務がきたとか景気のいい話ではありません。
人の入れ替えとか、改装とか、エアコンの故障とか、あんまり前向きではないことで時間を取られていました。
9月に入り、残暑の和らぎと共に漸く落ち着いて来ました。

ということで、遅れ遅れになっているWhistle Technologyの開業準備を再開いたします。

手始めに、7月末にワシントンDCにて参加してきました、ACFEのアニュアルカンファレンスについて記事にしていこうと思います。